MUSICAL FEATURES
Zadarでは、まず数百のプリセット波形からエンベロープで使用する波形を選択します。この波形データは柔軟なベクトルデータで構成される為、1ミリ秒以下から30分まで時間を引き伸ばしたり、リバースしたり、カーブをコントロールしたり、遅らせたり、リピートさせることができます。これらのパラメータを含む大半のパラメータは電圧でコントロールするようにアサイン可能です。
上記のような豊富な機能を持った4つのエンベロープは独立に設定、トリガーすることもできますが、チェーンやループを使用して組み合わせて使用することも可能です。設定は真ん中の赤いボタンで数ページの設定メニューを切り替えて設定しますが、メニューの構成はシンプルで一階層のみです。
- 独立した4チャンネルのエンベロープ
- ベクトルデータの形式で260の波形データを格納
- 時間レンジは0.85ミリ秒~30分
- 呼び出した波形はWarpとResponseコントロールにより大胆に変形可能です
- 素早く快適な操作性
- エンベロープのループ回数を自由に設定したり、複数エンベロープをチェーンすることでより複雑なエンベロープも作り出すことが可能です
- ほぼ全てのパラメータにアサイン可能、アッテヌバータも内蔵した4つのCV入力。
- 設定は18のプリセットに格納可能
HOW TO USE
Zadarは、個別にトリガー入力、CV入力、シグナル出力を持ったA~Dのエンベロープチャンネルで構成されます。トリガー入力によってエンベロープをトリガーまたはリトリガーし、CV入力はエンベロープのパラメータの電圧コントロールに使用します(入力レンジ-10V~10V)。エンベロープ出力は0~10Vの範囲を動きますがLEVELエンコーダーやCVでコントロール可能です。
エンベロープのパラメータ
4つのロータリーエンコーダーはチャンネルごとのエンベロープのパラメータ設定に使用されます。メイン画面で青いチャンネル選択ボタンを押して設定するエンベロープを選択してからエンコーダーを回してパラメータを調整します。エンコーダーはそれぞれ2つのエンベロープパラメータのコントロールに使用されます:
- Shape/Revエンコーダー: 回すと波形を選択します。波形のリストはチャート(pdf) を参照してください。またエンコーダーをクリックすることで波形の前後を逆転させることが可能です
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RTG/Timeエンコーダー: 回すとエンベロープの始まりから終わりまでの時間を設定します。30分から0.85ミリ秒の範囲で設定可能です。またエンコーダーをクリックするとリトリガーモードをDG(デジタルエンベロープ方式)/AN(アナログエンベロープ方式)で切り替えます。DGモードではエンベロープ出力中にトリガーを受けるとエンベロープの最初からスタートしなおします。ANモードではエンベロープ出力中にトリガーを受けると、トリガーを受けた時点より前の、同じ電圧値に到達した時点からリスタートします。エンベロープの電圧値にギャップが生まれず、グリッチが軽減されるメリットもあります。
ANとDGのリトリガー方式の違い - Warp/RSPエンコーダー: Warpは、回すとエンベロープの時間方向のバランスを連続的に変化させます。例えばWarp=0で三角波の波形は、Warp最小で下降ノコギリ波、Warp最大で上昇ノコギリ波のように変化します。エンコーダーをクリックすると設定パラメータをWarpからResponseに切り替えます。Reponseはエンベロープの縦方向のバランスを連続的に変化させます。典型的には、エンベロープのカーブを対数型→直線型→指数型と変化させます。
- Sus/Levelエンコーダー: Zadarでは、Sustainは通常のエンベロープのようにサステインレベルをコントロールするのではなく、入力ゲートがハイである間そこにとどまり続けるエンベロープ中の1時点を指定することでサステインを起こします。Susコントロールではその時点を設定します。エンベロープの一番後ろを過ぎるとサステインなしを選択可能です。エンコーダーをクリックすると設定パラメータをLevelに変更します。出力エンベロープの大きさを0~10Vでコントロールします
メニューページ
エンベロープの波形を表示し、パラメータを設定するメインページ以外にも、Zadarは3ページのメニュー設定にアクセス可能です。真ん中の赤いMENUボタンで3つのメニューページを巡回して表示します。チャンネルごとに画面を切り替える必要やサブメニューはなく、編集は簡単です。エンコーダーの役割は各メニューで変わります。
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CVアサインメニュー: チャンネルごとにCVをアサインするパラメータを選択し、アッテヌバータ(符号つきのモジュレーションアマウント)の設定をします。各エンコーダーがそれぞれのチャンネルに対応しているので、設定したいチャンネルのエンコーダーを押して設定したいパラメータを選択し、エンコーダーを回して値を設定してください。CVをアサインできるパラメータのリストは次の通りです
- SHP: エンベロープの波形選択
- TIM: TIMEコントロール。アッテヌバータを-50に設定すると1V/Octコントロールに近いスケールになります
- WRP: WARPコントロール
- RSP: RESPONSEコントロール
- LVL: LEVELコントロール
- REP: リピート回数(チェーン設定メニュー参照)
- PHS: 位相(チェーン設定メニュー参照)
- REV: ゲート入力により、REVERSEの有無を切り替えます
- SUS: サステインする時点
- FRZ: ゲート入力により、現在のレベルをホールドします
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チェーン設定メニュー: Zadarでは、複雑な波形をチョイスする以外にも、複数チャンネルを組み合わせて複雑なエンベロープを作り出すオプションが用意されており、チェーンメニューから設定可能です。チェーンメニューでは、エンベロープで別のエンベロープをトリガーしたり、リピート、ディレイなどが可能です。各エンコーダーがそれぞれのチャンネルに対応しているので、設定したいチャンネルのエンコーダーを押して設定したいパラメータを選択し、エンコーダーを回して値を設定してください。
- CHAIN設定: エンベロープで他のエンベロープをトリガーする、チェーンのグループ設定をします。16種類の設定が可能です。上の画像では、CH Aが立ち上がり後、BのPHASEで指定した時間を経過した後にBが立ち上がり、Cが立ち上がり・・・というエンベロープの連鎖を作ります。チェーンのスタート以外のエンベロープに入力されたトリガー/ゲートは無視されます。ループ状のチェーンを選択した時は、エンベロープのチェーンがサイクルします。
- PHASE設定: エンベロープ起動の遅れを設定します。リピートも反映したエンベロープ全体の時間に対するパーセンテージで設定します。チェーンの一部となっているエンベロープに対しては、前のエンベロープからトリガーされるタイミングを設定します。
- REPEAT設定: 最初の1サイクル後、何回エンベロープを繰り返すかを設定します。値は0(リピートなし)~99,及びサイクルを続ける∞です。
- プリセットメニュー: エンベロープの全ての設定は18のプリセットに保存し、後で呼び出し可能です。保存や呼び出し、デフォルトプリセットへの設定等、赤いロータリーエンコーダーで項目を選択、決定してください。
- 設定のコピー: CHANNELボタンを長押しし、チャンネル設定のコピーメニューを表示してください。現在のチャンネルの設定を他のチャンネル、または全チャンネルにペースト可能です。赤いロータリーエンコーダーで画面内をナビゲート可能です。
- クイックセーブ: プリセットメニューにアクセスしなくても、MENUボタンを長押しすることで現在の設定をデフォルトプリセットとして保存可能です(セーブをしない設定は電源オフによって消えます)。