MUSICAL FEATURES
Sofiaは、独自の波形生成原理に基づく特別なアナログ・オシレーターです。三角波のオシレーターコア、2つの精巧なウェーブ・シェイピングとモジュレーション・セクションを備えるSofiaのサウンドは、温かくサチュレーションした基音成分と、2つのリップル成分により合成されます。
リップルによる音声合成はフォルマントシンセシスの一種です。この手法においては、オシレーターコアによりトリガーされるリップルのパラメータを、周波数ドメインでなく時間ドメインでコントロールすることで、ピッチ変化の際に生楽器に近い音色変化特性を生み出すことが可能です。
メイン出力信号に加えて、Sofiaではサウンド個々の成分へのアクセス、および極めて柔軟なセルフパッチと出力波形のアニメーションを可能にする幅広いモジュレーション入力が提供されます。作成可能なサウンドの幅は驚くほど広大であり、引き裂かれるようなハードシンク効果から木製の打楽器音、温かくファジーで、輝きを持つサイン波のような進化するサウンドまで、特定の種類に限定されません。
HOW TO USE
Sofiaの動作原理
Sofiaは、FOF(fonction d’onde formantique)と呼ばれるフォルマント・サウンドのシンセシスに用いられる、古典的なコンピューター・ミュージックの手法を実装および拡張します。これはシンプルな時間領域のコンポーネント(サイン波の減衰:ここではリップルと呼びます)の組み合わせを使用することで、目的のスペクトル特性を実現します。
Sofiaでは、2系列のリップルが基音に追加されます。新規リップル要素のペアは、基音がサイクルするたびに生み出され、これらの波紋の密度と減衰率は幅広く調整できます。また、これらの要素の密度をサイクル内で加速または減速させるよう、各要素を歪めること(ワープ)も可能で、それぞれの基本波形をサイン波状のものと矩形波状のものとで切り替え、さらに豊かなサウンドを得ることもできます。
生成される信号には散開する周波数が存在するように見えますが、全ての要素はコアからシェイピングされた波形であり位相が揃っているため、正確な調和状態となります。
Interface
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
FOFシンセシスについて
古典的なFOF合成技術は、X. Robetによって1980年代に提唱されたもので、当時は高価であったデジタル・フィルターの実装に頼ることなく、ヴォーカルのようなフォルマントの時間領域での効果的な合成を実現しました。Robetは、声道の複雑な応答を、喉頭からの空気圧の各パルスに応答して減衰する正弦波トーン(リップル)を生成する、並列のアコースティック・レゾナント・フィルターに分解できる可能性を見出しました。減衰する正弦波の密度と減衰率、フォルマントの周波数位置とスペクトル幅には直接的な関係があります。
モジュレーションとセルフパッチング
Sofiaは単体でも、生楽器のような、木製のような、有機的な、または動物のような幅広いサウンドから、高く、ファジーで、明るいサウンドまで合成できますが、複数のCV入力を介してアニメーション化することで、その能力を最大限に発揮します。Xaoc Devices Zadarのエンヴェロープのような複雑なモジュレーション信号、オーディオ信号、またはホワイトノイズを様々なパラメータ変調にパッチすることで、サウンドに全く新しい次元を加えることができます。また、Sofiaの個別出力から2つの要素間の入力を利用したセルフパッチを実験することで、そのサウンドは未知の領域に到達します。