MUSICAL FEATURES
SOUND: SSM2040ベースのZ2040の音質はファットで透明な音から歪んだ音まで幅広い表現力を持っています。ゲイン、レゾナンス、カットオフの3つのつまみの組み合わせで広いレンジの音色を作りこむことができます。さらにこのフィルターはオーディオ信号をFMインプットに入れ、オーディオレートでフィルターFMを行った時に特に独特なパンチのある音を生み出せます。
自己発振:自己発振により生じるサイン波音は、FM入力が1V/Oct仕様ではないためその音程を音階に合わせるのは難しいです。その代わりにZ2040では、VC-GAINから内蔵VCAにエンベロープを送ることで音をカットできるため、インスタントなサイン波ベースのパーカッシブな音源のような使い方をするのには向いています。
VC-FM: Z2040の特徴の一つにVC-FMインプットがあります。これはFM inへのCV信号を変調する、「変調信号を変調する」ためのインプットです。これによって例えば
- オーディオレートのCV→FM in、アタッキーなエンベロープ→VC-FM in: アタックの瞬間だけフィルターFMが強くかかって減衰していくような音
- 比較的早いLFO→FM in、ゆっくりとしたLFO→VC-FM in: ゆるやかに強度が変化するフィルターモジュレーション音。VC-GAINと合わせて使ってより豊かな動きのドローン音。
- エンベロープ→FM in、ベロシティに対応する電圧→VC-FM in: ベロシティに反応してフィルターエンベロープの強さが変わるアシッドサウンド
のような使い方ができます。
FM inにも VC-FM inにも変調の加減を調整するアッテネータノブがついており、8HPのコンパクトサイズにしてクオリティーと多機能性を備えた使い勝手の良いモジュールです!
Interface
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
PHYSICAL STRUCTURE
Z2040のコアとなるSSM2040チップですが、特筆すべきは70年代のオリジナルのチップよりもさらにモジュレーションオプションを増やし、現代的なユーザビリティにも対応していることです。
内蔵VCA Z2040では内蔵VCAを持っており、背面ジャンパーの設定によってそれをフィルターの前段か後段のどちらに配置するかを設定することができます。VC-GAINインプットはこの内蔵VCAのCV inに繋がっているため(下図)、Z2040では周波数やレゾナンスだけでなくゲインもCVコントロール可能です。フィルターの歪み量をCVでコントロールしたい場合は内蔵VCAを前段に、クリーンなアウトプットのVCAとして使いたい場合には後段に配置します。
それぞれの場合の設定は以下の通りです。
Fig A-1. フィルター前段にVCAを配置した際のシグナルフロー(デフォルト設定)
Fig A-2. フィルター前段にVCAを配置するジャンパー設定(デフォルト)
Fig B-1. フィルター後段にVCAを配置した際のシグナルフロー
Fig B-2. フィルター後段にVCAを配置するジャンパー設定