MUSICAL FEATURES
ウェーブガイドモデルでは、入力されたシグナルが2〜4本のオーディオレートのディレイ時間を持つディレイラインを通り、お互いにフィードバックします。入力されたシグナルが短いノイズバーストやパルスの場合はそれをトリガーとして発振する音源となり、連続した音声を入力するといわゆるレゾネイターとして機能します。またL/R2つの入力シグナルは同じように処理されます。
スプリングモデルでは入力した信号で、重さのある物体が片側についた振動するバネを動かし、その振動をモデリングして音に変換します。Lの入力がバネのついた”壁”を動かし、Rの入力はバネについた重りそのものを動かします。R入力は音への影響が大きいのでご注意ください。バネの流体摩擦や静止摩擦も影響を与えます。Z-DSPでは1本のスプリングのみのシミュレーションを行うので、入力シグナルのフィルターとして使う方が自然ですが、ウェーブガイドと同様短いオーディオのバーストを入力すると音源としても機能したり、レゾネイターのように使うことも可能です。
8つのプリセットは以下のとおりです。
- 1. Double Waveguide Mixed: 2本のディレイラインを持ち、出力がマージされてフィードバックします。VC-DSP1が1番目のウェーブガイドのピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3が2番目のウェーブガイドのピッチをコントロールします
- 2. String Waveguide: 弾いた弦をシミュレーションするウェーブガイドモデルです。VC-DSP1が1番目のウェーブガイドのピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3が2番目のウェーブガイドのピッチをコントロールします
- 3. Bass Waveguide: ベースのプロセスに特化したウェーブガイドです。VC-DSP1がピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3が入力に対するエンベロープフォロアーの強さをコントロールします。このエンベロープはウェーブガイドのピッチのコントロールを行います。
- 4. Minor Chords: マイナーコードにチューニングされた4本のウェーブガイドです。VC-DSP1がルートとなるピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3は4つめのウェーブガイドのピッチを4度、マイナー7th、7th、またはオクターブ上から選択します。
- 5. Waveguide Mesh 1: ピッチ間隔のある独立した4本のウェーブガイドです。VC-DSP1が1番目のウェーブガイドのピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3が4本のウェーブガイドの間ピッチの広がりをコントロールします。
- 6. Waveguide Mesh 4: 内部で繋がった4本のウェーブガイドです。VC-DSP1が1番目のウェーブガイドのピッチ、VC-DSP2がウェーブガイドのダンピング、VC-DSP3が4本のウェーブガイドの間ピッチの広がりをコントロールします。
- 7. Spring Filter 3 (LP): ローパスフィルターに似たスプリングモデルです。VC-DSP1がバネの硬さ(フィルターの周波数に近いコントロール)、VC-DSP2がバネの硬さとバネの動きの摩擦の関係性、VC-DSP3はバネの動きの流体摩擦(フィルターのレゾナンスに近い)コントロールを行います。
- 8. Static Friction 2: 静止摩擦を持ったスプリングモデルです。VC-DSP1がバネの硬さ(フィルターの周波数に近いコントロール)、VC-DSP2が静止摩擦の強さ、VC-DSP3はバネの動きの流体摩擦(フィルターのレゾナンスに近い)コントロールを行います。