MUSICAL FEATURES
Knight’s Gallopは、アルゴリズムに基づくトリガー・シーケンスを提供する’Algo-Rhythmic’ジェネレーターです。Knight’s Gallopの2つの出力と、5つの異なるテイストのリズムパターンを持つテーブルの掛け合わせにより、実質的に無限のポリリズムやドラムフィルを生み出します。外部クロックを受けて作動するこのモジュールは、Table Type、シーケンス長を設定するLength、有効ステップ数を指定するPulses、シーケンスの再生範囲を設定するShiftの4つのパラメーターを参照してメインのシーケンスを生成します。
HOW TO USE
Basics
Knight’s Gallopを使用するには、はじめにClock入力にクロック信号を入力します。Out 1で生成されるシーケンスは、Table Type, Length, Pulses, Shiftの4つのパラメータにより定義されます。
Lengthノブでシーケンスの長さを1から8ステップで調整します。ModeボタンとTableボタンを同時に押すことで、シーケンス長の幅を1-8から9-16で設定することが可能で、9-16幅の場合、Length+ LEDが点灯します。
Pulseノブでシーケンス内のパルス数を設定します。ノブが最小値では出力がミュートされ、値を上げるにつれてシーケンスにパルス数が分散されて増加します。
LengthとPulseの各パラメータは、それぞれ専用のCV入力を備えます。
Shiftパラメータは、-/+ Shiftボタンで調整可能で、+を一回押すとシーケンスを1ステップ前方に、-を押すと1ステップ後方にシフトします。
Reset入力を利用することで、シーケンスを最初のステップから再スタートします。
Tables
モジュールはテイストの異なる5つのテーブルを備えます。電源投入時には3つ目のテーブル’Rivised Euclidean’ が読み込まれます。使用されているテーブルを確認するにはTableボタンを押します。Mode & Table LED列の点滅により、選択されたテーブルの番号が示されます。テーブルを切り替えるには、Tableボタンを押したまま、+ボタンと-ボタンを使います。
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01. Divider Sequences: ストレートで整ったパターンを生成する、異なるクロック・ディバイダーから成るシーケンスで構成されるテーブルです。8ステップのシーケンスでは、次の例のようになります。
- 02. Classic Euclidean: 古典的なユークリッドのテイストを提供するテーブルです。シーケンスを作成するアルゴリズムは、シーケンス内での各パルス間の距離が最も均等になるようにパルスを配置します。
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03. Revised Euclidean: 上の古典的なユークリッド・シーケンスよりも高度なグルーヴを提供するテーブルです。古典的なユークリッドの多くは、跳ねた/トライバルなリズムの作成に適した切分(シンコペーション)されたテイストを持ちますが、中には次の例のような4つのパルスを含む8ステップのシーケンスのように、グルーヴを殺してしまうものもあります
ユークリッド・パターンの他の問題点として、例えば次のような2つのパルスを含む12ステップのシーケンスは
ですが実際には、次のように1つのパルスを含む6ステップのシーケンスの2回の繰り返しであるため、
問題となる小さな死角ができないようにテーブルを編集しました。例えばこのテーブルでは、4パルス/8ステップのシーケンスは
となり、2パルス/12ステップのシーケンスは次のようになります。
- 04. Anti Euclidean: ユークリッド・パターンではパルス間の距離がほぼ均等に配置されますが、アンチ・ユークリッドはそれとは逆に、パルス間の距離の差が最大限になるように配置します。また、ユークリッド・パターンとは異なり、より予測不能で不均一になるようシーケンス内に分配します。
- 05. Split Sequences: このテーブルを作成するアルゴリズムは、シーケンスを2つの均等な長さのパートに分割します。Pulseの値を上げると、アルゴリズムは古典的なユークリッド配列を参照して1つ目のパートが完全に埋まるまでパルスを配置します。次に、逆順や反転等の異なる配列を用いて2つ目のパートへの配列を実行します。
Modes
Out1のように、Out2もまたテーブルの種類と長さ、PulseとShiftの値に応じてパターンを生成しますが、これらのパターンは選択中のモードにより定義されるアルゴリズムによって変更が加えられます。
現在のモードはMode LEDsで確認することができます。モードを切り替えるには、Modeボタンを押したまま+/-ボタンを使用します。各モードはいくつかのサブ・モード(SM)を備えており、これらの切り替えにはModeボタンを押します。
A. Main Mode (MN)
Mainモードは、4つのユーティリティ・モードを備えます。
- SM01 – Reset ○○: Out2からは、シーケンスの最初のステップ毎にリセット信号として利用できるパルスが出力されます。
- SM02 – No Shift ○◎: Out2はOut1と同様ですが、Shiftパラメータの影響を受けません。
- SM03 – Invert ◎○: ステップごとに、Out1がパルスを出力している場合はOut2からは出力せず、Out1が出力していない場合はOut2から出力します。
- SM04 – Backward ◎◎: Out2はOut1と同じパターンを逆順で出力します。
B. Compute (CP)
Out1がPのパルスを含むLの長さのシーケンスを生成している時、Out2は同じテーブルから派生する他のシーケンスを提供しますが、シーケンス長とパルスの密度比は異なります。Out2は,Out 1が再生したものと同じ長さの、パルスは半分のシーケンスを読み出します。例: Out1- P=4 & L=11 > Out2- P=2 & L=11
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SM01 – L & P/2 ○○: 同じ原理で計算が異なります。
例: Out1- P=4 & L=13 > Out2- P=2 & L=7 -
SM02 – L/2 & P/2 ○◎: 同じ原理で計算が異なります。
例: Out1- P=9 & L=12 > Out2- P=6 & L=8 -
SM03 – 2L/3 & 2P/3 ◎○: 同じ原理で計算が異なります。
例: Out1- P=5 & L=16 > Out2- P=3 & L=11 - SM04 – L-P & P/2 ◎◎: このモードでは、Out2が生成するシーケンスはOut1が生成するものによって自動的にリセットされます。
C. Random (RD)
このモードでは、Out2に不規則性を加えます。
- SM01 – No Random ○○: Out1とOut2は同一となり、ランダマイズは適用されません。
- SM02 – Soft Fill ○◎: Out2はOut1と同じですが、L/2 & P/2に関連するシーケンスをランダムに読み取ります。
- SM03 – Hard Fill ◎○: 前述のサブ・モードと同じ原理ですが、関連するシーケンスをより高い確率で読み取ります。
- SM04 – Full Random ◎◎: Out2はランダムなシーケンスを生成します。各ステップがパルスを生成する確率はPulseの値でコントロールされます。
D. Dual Mode (DL)
このモードでは、Out1とOut2を個別に設定できます。
- SM01 – Out2 ○◎: Out2を設定します。
- SM02 – Out1 ◎○: Out1を設定します。
なお、ノブ操作を有効化するには以前に設定された値に到達する必要があります。これはサブ・モード間の切り替えによる値のスキップを防ぐためです。この機能はLength+の点滅によって示されます。また、このモードではCV入力は無効となります。
E. Record (RC)
このモードでは、+ボタンと-ボタンを使ってシーケンスを記録することができます。サブ・モードはPlayとRecの2つのみとなります。
- SM01 – Record ◎◎: -ボタンで演奏したパターンはOut1に、+ボタンで演奏したパターンはOut2に割り当てられます。シーケンスはどちらもモジュールによってクォンタイズされます。
- SM02 – Play ○○: 記録されたループを再生します。
このモードでのPulsesノブは特別な作動となります。反時計回りにノブを絞り切った場合は他のモード同様に出力をミュートしますが、時計回りの最大値ではパルス出力のロールを生成し、ステップごとにトリガーを生成します。この動作はPulse CV入力からもコントロールすることができます。