MUSICAL FEATURES
Gemini’s Pathは、高品質なフル・アナログの信号経路にトリガー検知機構、および内部モジュレーターを実装するDCカップリング設計のダイナミック・プロセッサー/VCAです。低ノイズ/ディストーションのクリアでパワフルなサウンドを提供するTHAT社製のデュアルVCAコアを採用する本機は、2つの入力信号のダイナミクスを容易にコントロール。シンプルなVCA/サイドチェイン・コンプレッサー/オート・パンナー等、あらゆるシステム環境でステレオ処理/ダイナミクス・プロセッシングの中核となります。
HOW TO USE
Basics
Gemini’s Pathの内部は、以下の3つの異なるセクションで構成されています。
- VCAのペア:オーディオ信号を処理する完全なアナログ回路です。
- トリガー抽出回路:フルウェーブ・レクチファイヤー、エンヴェロープ・フォロワー、トリガー・ディテクターで構成される回路。オーディオ信号の和がノーマライズされたこの入力セクションは、EXT入力への信号によっても駆動されます。THRSDノブでトリガー検出器の検知レベルを設定し、付随するLEDはトリガーを検知したことを示します。
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モジュレーション・ジェネレーター:前段セクションから着信トリガーを受信し、エンヴェロープ、LFO、ランダム信号を生成してVCAのコントロール入力を駆動します。各チャンネルの振幅はLEDで示されます。
Modes
モジュレーション・ジェネレーターが生成するモジュレーション信号の種類を定義します。Modeボタンを押すたびに、作動中のモードを示すMode LEDが切り替わります。以下は4つの基本モードです。
- Expander(LED左上): トリガーを検知するたびにリリース・エンヴェロープを生成します。Timeノブはリリース時間を、DepthノブはExpanderが閉じるレベルを定義します。
- Pump(LED右上): コンプレッサーの動作を再現します。モジュールは通常0dBの減衰にあるため、Depthノブで定義されたレベルまでゲインが下がり、Time ノブで定義された期間中に0dBに戻ります。
- LFO Pan(LED左下): このモードでは、信号のパンニングをサイン波LFOがコントロールします。TimeノブがLFOの速度を、Depthノブはステレオの広さをコントロールします。トリガーはLFOのソフト(リバース)シンクとして機能します。
- Random Pan(LED右下): LFO Panと似ており、ステレオイメージ内におけるオーディオ信号の位置をコントロールする、平滑化されたランダム信号を生成します。Timeノブはランダム信号の速度を、Depthノブはステレオの広がりをコントロールします。トリガーはランダム・ジェネレーターが生成する値を更新します。
Alternative Modes
Modeボタンを2秒間押し続けることで、Mode LEDの点滅で示される4つの代替モードのセットにアクセスできます。
- Hold Expander: Expanderと同様ですが、VCAはリリース・エンヴェロープではなくホールド機能によって制御されます。
- Animated Pump: Pump機能と同様ですが、形状に正極のノコギリ波LFOが含まれます。
- Auto Pan: トリガーを受信するたびにパンニングがステレオイメージの反対側に移動します。Timeノブはパンニング効果が起こる速度を、Depthノブはステレオイメージ内で信号が動く距離を設定します。
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Granuliser: Timeノブで定義されたランダムな持続期間の間、ランダムな鋭いゲートを生成します。ステレオの広がりはDepthノブでコントロールします。グラニュラーのようなシンセシス処理をアナログ方式でシミュレートするモードで、ピッチの高い、連続する素材の使用が適しています。
※VCA: Modeボタンを4秒間押し続けることで、VCAモードを有効化できます。このモードではトリガー・セクションを無効化し、ステレオ信号のパンおよびボリュームのシンプルなコントロールを提供します。
Time+
Time+機能は、Timeの設定幅を遅くして生成されるモジュレーションのスルーを制限することで、スムーズで簡単な演奏を可能にする機能です。有効化するにはTime+ボタンを押してLEDが点灯したことを確認します。
Control Assignment
コントロール・アサインメントにより、モジュレーション・ジェネレーターがどのようにしてユーザー・インターフェイスからコントロールされるかを定義します。設定するにはAssignボタンを押します。設定は以下のようにAssign LEDで示されます。○は消灯、◎は点灯を意味します。
- Shared Control ○○ : 両チャンネルはTimeノブとCV入力、およびDepthノブとCV入力によりそれぞれコントロールされます。
- Dual Channel Controls ◎◎ : TimeノブとCV入力はチャンネル1のTimeに、DepthノブとCV入力はチャンネル2のTimeをコントロールし、両Depthパラメータは最大値となります。LFOおよびRandom Panモードは各チャンネルの振幅をコントロールする2つのLFOとランダムジェネレータに変更されます。VCAモードでは、シンプルに両チャンネルの振幅をコントロールすることができます。
Assignボタンを2秒間押し続けることで、単一チャンネルの設定に切り替えることができます。VCAモードではこの設定にはアクセスできず、CV入力はチャンネル1のパラメータにのみ作用します。
- Single Channel-1 ◎○ : この設定は、チャンネル1のモジュレーションの完全なコントロールを提供します。前述のように、LFOおよびRandomモードはチャンネルの振幅に作用します。
- Single Channel-2 ○◎ : 上記同様にチャンネル2をコントロールします。
TIP: Gemini’s Pathの入力はDC結合されているため、モジュレーション信号の振幅処理にも利用できます。
Trigger/Gate Setting
デフォルトで、モジュールはトリガーに反応するように設定されています。これはオーディオ信号がトリガー抽出セクションのスレッショルド値を超えるたびに、値を超えている期間に関係なくモジュレーション・ジェネレーターがトリガーされることを意味します。
本機では、モジュールがトリガーに反応するか、またはゲートに反応するかを選択することができます。ゲート・モード設定でのモジュレーション・セクションは、着信する信号がスレッショルドを超えている期間は待機段階に留まります。この待機段階の時、Pumpは減衰を維持し、Expanderは開いている状態となります。
トリガー/ゲートを切り替えるには、Time+ボタンを押しながらモジュールの電源を投入します。これによりTime+ LEDがしばらく点滅し、モジュールは通常通りに起動します。
Current State Storage
モジュールの現在の状態を保存し、起動時に復元するにはTime+ボタンを2秒間押し続けます。Time+ LEDが点滅し、設定が保存されたことを確認できます。この操作により、選択中のモード、Time+の設定、およびコントロール・アサインメントを保存します。