MUSICAL FEATURES
Assimil8orでは8チャンネルの独立したサンプル構築が可能で、音質はハイファイからローファイまでコントロールでき、全てが電圧コントロールにアサイン可能です。
- 8チャンネルのマルチティンバーオペレーションが可能。各チャンネルは個別出力、またはステレオのMix出力から取り出すことが可能です
- 24ビットのハイクオリティAD/DAコンバーター搭載
- モノまたはステレオでサンプリング可能。8つのチャンネルは4つのステレオや8つのモノ、またはその間の組み合わせでの設定が可能です
- 各チャンネルには更に8つまでサンプルをアサインし、CVでその中から選択することが可能です
- DCカップリングの為、CVのサンプリングも可能です
- 外部シグナルや他のサンプルからの位相モジュレーション機能搭載。このモジュレーションによりサンプルは更に音色の変調が加えられます。
- 個別にサンプルレートやビットを変更して音のクオリティを調整し、旧世代のサンプラーの質感を得ることも可能です。ビット数やエイリアスは電圧コントロール可能です
- その他サンプル操作、ループ機能について豊富なコントロールを搭載
- サンプルスクラビングも電圧コントロール可能
- ワンショット鳴らし切るモードやゲートの長さだけ鳴らすモードなども搭載し、調整可能なアタック、リリースエンベロープでコントロールできます
- 各チャンネルごとのGate/Trigger入力ジャック、そして24のCV入力ジャックを搭載。電圧コントロール可能なパラメータにはピッチ、音量、ビット数、位相モジュレーション、パンニング、サンプル/ループポイント、リリースタイム等が含まれます。
- サンプルやプリセット管理の為のマイクロSDカードスロットをフロントに搭載
- サンプルのメモリーは合計で2,330秒(48kHz/モノの場合)
- サンプルレートは48kHZ, 96kHZ, 192kHZ
- 内部プロセスは32ビット
- 0.1ミリ秒(ミックス出力)、0.18ミリ秒(個別出力)の超低レイテンシー
Operation Guide
Interface
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
フォルダ、プリセット、チャンネル、サンプル
Assimil8orでは、マイクロSDの中のデータを内部メモリーに呼び出し、その中からサンプルを8チャンネルにアサインし、様々なモードで個別に再生します。内部メモリーは非常に高速にアクセスできるため、レイテンシーは0.2ms以下と非常に低くなります。Assimil8orでは同時に1つのフォルダーのみがメモリーにロードされアクティブになります。その為、マイクロSDカードの容量に制限はありませんが、アクティブなフォルダー内で全プリセットにアサインされるサンプルファイルの合計が422MB以下でなければなりません。
フォルダーはマイクロSDカードのトップフォルダ直下に置きます。フォルダーにはプリセットが含まれ、プリセットは8つのチャンネルから構成されます。各チャンネルにはサンプルのアサインや再生方法、パラメータ値、CVのアサイン等すべての情報が含まれます。フォルダーには、このプリセット情報と、プリセットでアサインされている全てのサンプルファイルが含まれています。プリセットは1フォルダにつき199個まで使用できます。ファイルは8,16,24,32ビット、任意のサンプルレート、モノまたはステレオのWAVファイルが使用可能です(再生時のビット深度はMutateボタンから細かく変更可能です)。
フォルダーをロードするには、Loadボタンを押します。フォルダーをロードした直後に現れるのがホームスクリーンで、そのままDATA1エンコーダーの回転→クリックでプリセットをロードしたり、Play Modeボタンを押しながらDATA2ノブを回すことでDATA2にアサインするCV入力を選択したりします。他の画面、例えばPITCH設定画面が表示されている時はPITCHボタンを再度押すことで、ホームスクリーンを表示させることができます。
プリセットのロードはホームスクリーンから行いましたが、プリセットのセーブはSaveボタンを押して行います。現在のプリセットに名前を変えず上書きするには、SaveボタンまたはData1エンコーダーを2秒長押しします(画面にヘルプメッセージが表示されます)。プリセット先を変えるにはSaveボタンを押した後エンコーダーを回してプリセットを変え、SaveボタンまたはData1を長押しします。Data1をクリックするとプリセット名を変更する画面に入ります。
サンプルのアサイン等はアクティブなフォルダー内のサンプルから行うのが基本ですが、非アクティブなマイクロSDカード内の別フォルダからサンプルやチャンネル、プリセット等をアクティブフォルダにインポートすることができます。大きなデータでは内部メモリへの転送に時間がかかる場合があります。インポートをするには、フォルダーのロードと同様まずLoadボタンを押します。インポートしたいサンプル/チャンネル/プリセットがあるフォルダーをハイライトし、Loadボタンをダブルクリックします。フォルダーの中を開くので、インポートしたいサンプルまたはプリセットをハイライトし、クリックしてImportを選択します。チャンネルはプリセットの一部なので、プリセットをハイライトしてLoadボタンを更にダブルクリックし、インポートしたいチャンネルを選択してクリックします。
チャンネル設定
チャンネルは、ゲート入力により再生されるサンプルとその再生パラメータ情報のことで、1つのプリセットに8チャンネルあります。チャンネルのアサインサンプルの切り替えや各種設定は次のように行います。
Channels/Selectボタンを押すとChannelsスクリーンが表示され、各チャンネルのサンプル名、チャンネルモード(MD)、クロスフェードグループ(X)が示されます。また最下段のD2CVフィールドではData2ノブをアサインするCV入力を選択することもできます。
Channelsスクリーン
サンプル名は、ゾーンが設定されている時は第一ゾーンのサンプル名となります。他のチャンネルとトリガーをどのように関連付けるかの設定がチャンネルモードです。ステレオサンプルの取り扱いもここで行います。クロスフェードグループはCVによって出力がクロスフェードするグループを指定します。
サンプルを変更する時は、サンプル名をハイライトしてエンコーダーをクリックしてサンプルを選択します。新しいサンプルがアクティブフォルダの他のプリセットやチャンネルのどこかに既にアサインされているものであればすでに内部メモリにあるのですぐに呼び出されますが、まだどこからもアサインされていないサンプルの場合ロードに時間がかかることがあります。またサンプルを変更するのではなく、再生パラメータ設定を含めた1つのチャンネル情報を他のプリセットからコピーする場合は、サンプル名がハイライトされた状態でエンコーダーを長押しします。
チャンネルモードを変更する時は、MD列の項目をハイライトしてエンコーダーをクリックします。チャンネルモードは次の通りです。
- Master: マスターモードは通常のトリガーモードで、対応するGate/Trig入力によってサンプルを再生するモードです。各チャンネルをモノで独立したサンプルとして使用したい場合は、全てのチャンネルをMasterに設定します
- Link: リンクモードは、対応するGate/Trig入力には反応せず、自分のチャンネルより上にある一番近いマスターモードチャンネルのGate/Trig入力に反応します。複数チャンネルをレイヤーして使用したい場合に便利です。複数のリンクグループを8つのチャンネル内に作ることもできます。
- Stereo/Right: ステレオモードは、サンプルファイルがステレオ2CHの時、R側を再生するモードです。ただしGate/Trig入力は自分より上にあるMasterモードチャンネルに反応します。またステレオを想定しているので、サンプルのパラメータはPanを除いて無効化され、L側に対応するMasterモードチャンネルのパラメータ設定を引き継ぎます。PanについてはLとRを文字通りLRにするのでなく、Stereo Out中のPan設定を自由に行うことができます。CH3とCH4で1つのステレオファイルを再生したい場合は、CH3をMaster、CH4をStereo/Rightモードにし、同じサンプルステレオファイルをアサインします
- Cycle: サイクルモードのチャンネルは、その上にある一番近いMasterチャンネルを含めたチャンネル間でゲートのたびに順番に再生されます。再生にはMasterチャンネルのGate/Trig入力が使われ、サイクルモードのチャンネルのGate/Trigには反応しません。ポリフォニーのようにサンプルを重なって鳴らす使い方に向いています
クロスフェードグループを変更する時は、X列の項目をハイライトしてエンコーダーをクリックします。クロスフェードしたいチャンネルを同じアルファベットのクロスフェードグループにアサインします。クロスフェードに使用するCVはChannelsページの最下段で設定できます。
ゾーン設定
各チャンネルには8つまでサンプルをアサインし、CVによって再生サンプルを切り替えることができる機能があり、この”チャンネル内チャンネル”をゾーンと呼びます。 ゾーンのアサインサンプルの切り替えや各種設定は次のように行います。
Zones/Selectボタンを押すとZonesスクリーンが表示され、現在選択しているチャンネル内各ゾーンのサンプル名、対応電圧レンジ等が示され、エンコーダーで選択して変更可能です。また最下段のフィールドでゾーン選択に使用するCV入力も選択できます。またゾーンの切り替えがゲートを受けた瞬間のみで起きるか、サンプル再生中にも起きるかの切り替えもできます。 新しくゾーンを加えたり、削除することも可能です。ゾーンのコピーはチャンネルのコピーと同様、エンコーダーの長押しで行うことができます。
Zonesスクリーン
パラメータ設定
Assimil8orで再生されるサンプルには様々なパラメータがあり、それらを項目別にノブで設定したり、CV入力にアサインすることができます。
パラメータを設定するには、まず設定したいチャンネルを選択します。Channels/Selectボタンを押しながら設定したいチャンネルボタンを押すことでサンプルを再生することなくそのチャンネルを選択できます。またそのチャンネルにゾーンが設定されている場合、更にZones/Selectボタンを押しながら設定したいゾーンの数字のチャンネルボタンを押すことで、そのゾーンのサンプルを再生することなく選択できます。
チャンネルやゾーンを選択したら、設定したいパラメータのボタンを押します。 Pitch, Level, Phase Mod, Mutate, Pan/Mix, Sample Start, Sample End, Loop Start, Loop End/Length, Play Mode, Envelope, Loop Modeが設定すべきパラメータのボタンになります。それらのボタンのどれかを押すとパラメータによって表示される項目は異なりますが、パラメータのデフォルトの値やCVのアサイン先、アサインしたCVのアッテヌバータの数値等が表示されます。DATA1エンコーダーを回して設定したいパラメータをハイライトし、DATA2ノブを回すことでパラメータ値を素早く設定できます。また最小単位で細かくパラメータ値を設定したい場合は、DATA1エンコーダーをクリックしてから回し、またクリックして確定します。例えばループスタートポイントなどの設定ではDATA1エンコーダーは1サンプル単位で調整可能です。
パラメータ設定画面例:Sample Start サンプルスタート位置がハイライトされています。
- Pitch: ピッチコントロールです。CV入力の選択やアッテヌバータの設定、デフォルトのピッチ等をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。
- Level: 音量コントロールです。CV入力の選択やアッテヌバータの設定、デフォルトの音量等をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。
- Phase Mod: フェーズ(位相)モジュレーション設定を開くボタンです。フェーズモジュレーションソースの選択やモジュレーション量(インデックス)のCV入力の選択やアッテヌバータの設定、デフォルトのパラメータ値をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。
- Mutate: 様々なオーディオクオリティの設定をします。ビット深度やエイリアス、それらのCV入力の選択やアッテヌバータの設定、リバースやスムージングの設定が可能です。
- Pan/Mix: ステレオMix Outでのパンニングやレベルを設定するボタンです。デフォルトの値からCV入力の選択、アッテヌバータの設定をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。レベルはLevelで設定した個別出力の音量に対する相対的な大小で指定します。
- Sample Start&Sample End: サンプルスタートやエンドの設定を開くボタンです。デフォルトの値からCV入力の選択、アッテヌバータの設定をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。スタートポイント等はData1エンコーダーとData2ノブの両方を使用して設定すると簡単です。
- Loop Start&Loop End(Length): ループスタートやループエンド(または長さ)をの設定を開くボタンです。CV入力の選択やアッテヌバータの設定、デフォルトのピッチ等をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。ループを長さで指定するか、エンドポイントで指定するかは、EndまたはLengthパラメータをハイライトしている時に、このボタンを長押しすることで切り替えられます。スタートポイント等はData1エンコーダーとData2ノブの両方を使用して設定すると簡単です。
- Play Mode: 再生モードを設定するボタンです。1Shotモードはゲートを受けるとサンプルを最初から最後まで再生します。GatedモードではゲートONの間サンプルが再生し続け、OFFになると内蔵エンベロープに従ってリリースします
- Envelope: エンベロープを設定するボタンです。アタックやリリースのデフォルトの値からCV入力の選択、アッテヌバータの設定をサンプルまたはゾーン毎に設定できます。またリトリガー時にエンベロープの高さを保持したままアタックを開始するか、0Vからスタートし直すかの設定も可能です。
- Loop Mode: Loopモードを切り替えます。LEDオフはLoopモードオフです。LEDがついているときLoopモードがONとなり、1ショットモードの時はマニュアルに止めるまでループを続けます。 GatedモードかつLoopモードONの場合は、ゲートONの間ループを続けます。ゲートOFFになった後の振る舞いがLEDの上下で異なり、上段LEDが点灯するNormal Loopモードの時はループしたままリリースされ、下段LEDのGated LoopモードではゲートOFFになるとサンプルエンドポイントに向けてリリースしていきます
サンプリング
Assimil8orではサンプリングのための2CH入力を持ち、Sampleボタンによるマニュアルトリガー、CV入力からのトリガーによるサンプリング、入力レベルにスレッショルドを設定したサンプリングが可能です。これらの設定も含めた、サンプリングに関連する設定はSampling Setupボタンからアクセスします。サンプリングに関する設定を終えたら、Sampling Setupボタンを長押しして録音待機状態(アーム)に入り、上記のどれかの方法でサンプリングを行います(設定によりアーム不要での録音も可能です)。Sampleボタンを再度押したり、指定したサンプル時間に達したり、2度目のトリガーを指定したCV入力から受けるとサンプリングが終わります。Sampling Setup画面からサンプルしたファイルをキープするか捨てるかの選択を行います
Sampling Setup画面
Sampling Setup画面での設定項目は以下の通りです。
- Destination: サンプルしたファイルのアサイン先です。アサインしない(Unassigned)、Channel1-8、Empty Channelから選択します。
- Record Mode: Onceは通常通り、Sampling Timeかそれ以下の時間、一度だけサンプリングします。CircularはサンプリングをボタンやCVで止めるまで、Sampling Timeで設定した時間だけサンプリングをし、また頭からオーバーダブをする・・・ということを繰り返します。
- Sampling Time: サンプルする時間を設定します。
- Sampling Rate: サンプルレートを48kHz/96kHz/192kHzから選択します。
- Naming Mode: 新しくサンプルされるファイルのネーミングルールを設定します
- High Pass Filter: CVもサンプリングしたい場合はDC coupledを選択し、オーディオのサンプリングで直流成分を除去したい場合はAC coupledを選択します。
- Arming Safety: Sampling Setupボタン長押しによるアーム状態を必須にするかどうかの設定です。*HOT*を選択するとサンプリングを行うのにアーム状態が必要なくなります。ただし、この場合でもThresholdサンプリングにはアーム状態が必要です。
- Level: 入力シグナルのレベル調整を-30dB〜+24dBで行います。サンプル用シグナルを流すとメーターが反応するので、適切なレベル設定が行えます
- Side: サンプリングするチャンネルの設定です。Left/Right/Stereo(ステレオwavとしてサンプリング)/Dual Mono (2つのモノWavとしてサンプリング)
- Threshold and CV Trigger Assign: 入力シグナルのレベルがある値を超えたらサンプリングを自動でスタートするスレッショルドサンプリングをする場合はその閾値を設定します。CVへのトリガー入力でサンプリングをスタートする場合は対応するCV入力を指定します
Firmware Update
Assimil8orではMicro SDカードにファームウェアをダウンロードして簡単にファームウェアのアップデートが可能です。現在のAssimil8orのバージョンは、Utilityボタンを押し”About This Module”から確認できます。
ダウンロードしたファイルをマイクロSDカードのトップフォルダーに入れ、Assiml8orに挿して起動してください。 UtilitiesボタンからLoad Softwareを選択し、エンコーダーをクリックすることでファームウェアがアップデートされます。