MUSICAL FEATURES
New Systems Instruments Inertiaは、励振と自身の動きの勢力から出力曲線を生成するという珍しいタイプのユーロラック用ユニバーサル・ムーブメント・シミュレーターです。Serge DUSGに着想を得て新しくデザインされた本機は、シンプルなコントロールから音楽的に洗練された機能セットを生み出します。オーディオレンジでもCVレンジでも動作するユニークなアーミーナイフモジュールです。
- 5オクターブを超える温度保証型の1V/OctトラッキングとVC-Skewを備えるリッチなオシレーター
- LFOディバイダー
- Resonanceコントロール付きのフィルター
- 自然で繊細な音響コントロールを実現するエンヴェロープ・ジェネレーター
- 直感的に使用できるサイン波Skew LFO
- 位相ロック・ループ
- VCに対応する指数型スルー・リミッター
- オーバーシュートと設定をコントロールできるスルー・リミッター
- パーカッシヴなサウンドの生成
HOW TO USE
Inertiaは、複雑な機能セットをシンプルなコントロールで実現します。出力信号の上昇と下降電圧の指数関数的な速度は、RISEおよびFALLのコントロールで設定します。Inertiaはこれら2つの速度に従って入力信号に追従し、1次および2次の出力を生成します。Inertiaが備えるMOMENTUMコントロールは、市場の他のファンクション・ジェネレーターと一線を画すユニークなパラメータで、上昇または下降電圧にいくらかのMOMENTUM(弾み、推進力)を加えた場合、出力信号はその方向の対象の値を超えてから目的の値に戻ります。これにより、ADSRのようなエンヴェロープや傾きのあるフィルターレゾナンスなど、繊細で実用的な機能を少ないパラメータで簡単に作成でき、MOMENTUMを最大値に設定した場合はInertiaは自己発振するため、VCLFOやVCOのようにも使用できます。
RISE/FALLモードに加えて、InertiaはVALUE/SKEWモードにも設定できます。このモードでは、これらの同じパラメータを使って全体の周波数(FREQ.)と上昇率と下降率の偏り(SKEW)、および全体の弾み(MOMENT.)と上昇と下降の弾みの偏り(SKEW)をコントロールすることが可能です。モードセレクターの両脇に配置されたLEDで、Inertiaがどちらのモードであるかを常に確認できます。
Interface
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
クイック・スタート
- Attack-Release envelope: INTERFACEスイッチをRise/Fallモードに、RANGEスイッチをLに設定し、FALL momentumを絞り切ります。トリガー、またはゲート信号をTRIG入力に送り、1 ORDER出力からエンヴェロープ信号を取り出します。RISE rateでエンヴェロープのアタックを、 FALL rateでリリースを、それぞれ右に回すと早く、左に回すと遅くコントロールできます。RISE momentumは信号のレベルとアタックの形状に作用します。2 ORDER出力からは、古典的なものとは異なる便利なエンヴェロープを利用できます。
- Attack-Release-Sustain-Release envelope: INTERFACEをRise/Fallモードに、RANGEをLに設定し、FALL momentumを絞り切ります。INPUTにゲートを入力し、1 ORDER出力から信号を取り出します。RISE rateはエンヴェロープのアタックを、FALL rateはリリースをそれぞれコントロールします。エンヴェロープのサスティンとリリースのレベルは着信するゲート信号によって設定されます。RISE momentumは、リリースの速度でこのレベルに戻る前にアタックをサスティンレベルよりも上昇させるため、アタックとサスティンを異なるレベルに設定することができます。RISE momentum CV入力はアクセントに使用できます。 2 ORDER出力からは、古典的なものとは異なる便利なエンヴェロープを利用できます。
- LFO: INTERFACEをSkewモードに、RANGEをLに設定し、SKEW momentumを12時に、MOMENT.を右一杯の最大値に設定します。出力信号は1 ORDERから取り出します。FREQ.ノブでLFOの周波数を、SKEWで波形の傾きをコントロールできます。2 ORDER出力からは45度位相が遅れた2番目のLFOが得られます。
- VCO: INTERFACEをSkewモードに、RANGEをHに設定し、ピッチコントロール用のCVをV/Oに入力します。SKEW momentumを12時の位置に設定し、MOMENT.を右一杯の最大値にします。出力は1 ORDERまたは2 ORDERのどちらかから取り出します。FREQ.でVCOの周波数を、SKEWで波形の傾きをコントロールできます。ノブが中央の位置ではサイン波を、左右どちらかに操作することでInertiaはノコギリ波のような倍音豊かな波形を生成します。
- Resonant low-pass filter: INTERFACEをSkewモードに、RANGEをHに設定します。INPUTにオーディオ信号を入力し、2 ORDERから出力を取り出します。FREQ.でフィルターカットオフ周波数を、MOMENT.でフィルターのレゾナンスをコントロールできます。Rate SKEWは、波形の上昇部分と下降部分で異なるカットオフを設定し、レゾナンスの波形を変化させると同時に、カットオフ周波数を着信する波形に依存する形で変化させます。Momentum SKEWは、着信する波形に依存する形でレゾナンスを制限します。Harmonic Shift Oscillatorの出力のような複雑な入力信号の場合、このような波形依存型のフィルタリングは極めて豊かな、発展する出力信号を生成します。