MUSICAL FEATURES
各種の設定は、全てエンコーダーの回転とクリックによるシンプルな操作で行います。エンコーダーを回してクリックすることで設定するオプションを選択し、その後にまた回してクリックすることでそのオプションの値や設定を決定する、というように使います。
全ての設定は8個のプリセットに保存が可能です。エンコーダーの長押し後にS(AVE)やL(OAD)メニューにアクセスすることで保存・ロードを行ってください(モジュールに電源投入後は必ずプリセット1番がロードされます)。
Layouts
mBraneでは、どのようにMIDIをCV/Gateに変換するかの一番大きな設定を”レイアウト“と呼びます。この設定は、mBraneの”LA(YOUT)”オプションで決定します(オプションの設定法はノブの説明をご覧ください)。レイアウトでは、どのMIDIチャンネルに何個のボイスが入るかを決めており、MIDIチャンネルを”パート”と呼びます。またボイスは、1つの単音(モノフォニックな)のメロディーのことです。
LA(YOUT)オプションを選択後、選べる設定値は以下のようになります。
- 1M: モノフォニックな1つの音を変換します。
- 2M: 2つのモノフォニックなシーケンスを変換します。2つは別のMIDIチャンネルとなります。
- 4M: 4つのモノフォニックなシーケンスを変換します。4つは別のMIDIチャンネルとなります。
- 2P: 1つのパート(MIDIチャンネル)で同時に2音までを変換する、デュオフォニックモードです。
- 4P: 1つのパート(MIDIチャンネル)で同時に4音までを変換する、クアドラフォニックレイアウトです。4和音を変換できることになります。
- 2> 4> / 8>: これらは、2台のmBraneをMIDIケーブルでチェーンして、多くのボイスを出力するレイアウトです。2>,4>,8>それぞれ1台のmBraneが半分の数(1,2,4)のボイスを出力します。
- 4T: クアッドトリガーレイアウト。4つのパートごとにそれぞれ1つの音階のオンオフのみに反応してトリガー信号を出力します。
レイアウトやアウトプットの設定については、下記の”Options”のセクションをご覧ください。
Clock and Tempo
オプションのTE(MPO) を選択することにより、テンポの設定が可能です。テンポはBPM単位で、下2桁のみ表示されます。設定時に数字がそのテンポで点滅します。40BPMより左にエンコーダーを回すと、EX(TERNAL)と表示され、外部MIDIクロックに同期できます。内部クロックはスイング可能です。SW(ING)オプションから設定してください。1M, 2M, 2P, 2>, 4>,4Tのレイアウトではクロックの出力が可能ですが、MIDIクロックに対して分割したクロックを出力することも可能ですO/(OUTPUT CLOCK DIV)オプションで設定してください。またテンポ自体をクロックの分割で設定することも可能です。I/(INPUT CLOCK DIV)オプションで設定してください。4M/4P/8>のレイアウトでも、ゲート3/4アウトプットをクロックアウトプットに置き換えることは可能です。C>(CLOCK OUTPUT)オプションから設定してください。
Arpeggio
mBraneでは、各パートでコードを入力するとアルペジオに分解してプレイされます。アルペジオの設定は下記オプションからアクセスします。設定項目中、”EUCLIDEAN~”とある3つのパラメータは、アルペジオのリズム生成に「ユークリッドアルゴリズム」を選択した場合に、そのアルゴリズムに与える3つのパラメータです(ユークリッドアルゴリズムでは、その3つを与えるとリズムパターンが決定されます)。
- C/ (CLOCK DIV): アルペジオのクロック設定。
- G- (GATE LENGTH): アルペジオのゲートの長さ設定。
- AR (ARP RANGE): アルペジオのレンジをオクターブ単位で設定します。ゼロの時アルペジオは無効です。
- AD (ARP DIRECTION): UP, DN (down), UD (up & down) RA(NDOM) モード、 PL(AYED) は押された順にアルペジオするモード、CH(ORD) は gated chord effect モードです。
- AP (ARP PATTERN): アルペジオのリズムパターンを設定します。下のE-が0でない場合には、この設定は無効になりユークリッドアルゴリズムによるリズムパターンとなります。
- E- (EUCLIDEAN LENGTH): ユークリッドアルゴリズムで、リズムパターンのループの長さを設定します。0の時、ユークリッドアルゴリズムは無効です。
- EF (EUCLIDEAN FILL): ユークリッドアルゴリズムで、リズムパターンの”ON”の数の多さを設定します。
- ER (EUCLIDEAN ROTATE): ユークリッドアルゴリズムで、リズムパターンのスタートポジションを設定します。
Oscillator
OS(CILLATOR) オプションをOFF以外の波形に設定することにより、mBrane内蔵のオシレーターの出力がされます。出力先は以下の通りです。
- 1MレイアウトではCV4
- 2Mまたは2PレイアウトではCV3とCV4
- 4Mまたは4PレイアウトではCV1, CV2, CV3, CV4
Sequencer
各パートは、64ステップのモノフォニックシーケンサーとしても機能します。入力方法は、ステップごとに接続したMIDIキーボードかmBrane上のボタンを1つ押していく、SH-101等で見られる方法で行います。 入力の開始は、RECボタンを押します。2M,4M等の複数パートを持つレイアウトの場合、ここで記録するパートを選択できます。入力を終了する場合は、再度RECボタンを押します。
入力では、各ステップごとに次のどれかを入力します。
- ノート: MIDI鍵盤を押すことで入力します。ベロシティも記録されます。またピッチベンドを倒しながら押すとスライドが入力できます。
- タイ: START/STOPボタンを押すことで前の音が伸びたまま続くタイを入力します。
- 休符: TAPボタンで休符(REST)の入力になります。
また入力中にエンコーダーを回すことで以前のステップに戻ることができます。またエンコーダーを押すと、入力するノート等の値が選べるので、キーボードなしでもシーケンサーのプログラムが可能です。
入力が終わると、START/STOPボタンでシーケンスの再生と停止が可能です。またシーケンスは外部クロックに同期するモードでは外部MIDIクロックに同期します。再生中にMIDIノートを入力すると、シーケンスがトランスポーズ(平行移動)します。再生中にRECボタンを押すと、シーケンスはそのままでは変わりませんがMIDIノートを入力するとシーケンスの再生時点のステップがそのMIDIノートに置き換えられます。
シーケンサーはアルペジオとは同時に行うことができません。START/STOPを押したり、MIDIスタートメッセージをmBraneが受け取ると、シーケンサーが起動されアルペジオは停止しますのでご注意ください。
Options
Layout and MIDI 関係オプション
- LA(YOUT): レイアウトの選択をします。
- PA(RT): 複数のパートを持つレイアウトを選択している場合、設定の対象となるアクティブなパートを設定できます。
- CH(ANNEL): 受信MIDIチャンネルの設定。
- NO(TE): 異なるMIDIノートで4つのトリガーを作る4Tレイアウトで、各ボイス用のノートを設定します。
- >> (OUTPUT MIDI MODE): MIDI OUTは、設定により、OFF/THRU/アルペジエイター(orシーケンサー)の出力になります。また2>,4>,8>ではmBraneのチェーンに使われます。
- VO(ICING): 2P, 4P, 2>, 4>, 8>のように1つのパートで複数のボイスを扱う際の設定です。
- PO(LY) 通常のポリフォニックシンセのようにボイスの入れ替えを行います。
- CY(CLIC) ノートがボイスを循環してアサインされていきます。。
- RA(NDOM) ランダムにノートがボイスにアサインされていきます。
- VE(LOCITY) ベロシティーの低い順にノートがアサインされていきます。
- NP(NOTE PRIORITY): いくつかのキーが押されたときの、ノートの優先順位。これは1つのボイスが1つのパートにアサインされている、モノフォニックなレイアウトでのみ設定できます。LO(W)est と HI(GH)estは低いキー、高いキーを優先します。LA(TEST)は一番最近押されたキーを優先します。
CV, gate and trigger 関連オプション
- LG (LEGATO): レガートの設定です。1M, 2M, 4Mのレイアウトで有効。ONにするとオーバーラップしたノートがレガートとなるように信号が出力され、繋がったMIDIノートのスタート時にトリガー信号を出力しません。
- PO(RTAMENTO): ポルタメント(時間ベース)のスピードを調整します。
- BR (BEND RANGE): ピッチベンドの範囲を半音単位で設定します。
- VR (VIBRATO RANGE): Vibrato の範囲(Modulation Wheelの範囲)を設定します。
- VS (VIBRATO SPEED): Vibratoのスピードを設定します。
- T- (TRIGGER DURATION): トリガーパルスの長さを調整します。
- T* (TRIGGER SCALING): 4Tでのみ有効な設定で、トリガー信号の強さをベロシティーにどの程度反応させるかを設定します。
- T/| (TRIGGER WAVESHAPE): トリガーパルスの波形を様々な形で出力します。通常はSQです。
- CV(AUX CV OUT): “Assignable CV”の出力を持つレイアウトで、その出力に何をアサインするかを設定します。 AT(AFTERTOUCH), BR(EATH) controller (MIDI CC# 2), PE(DAL) (MIDI CC#4), そしてModulation WheelとVibrato Speedオプションで強さとスピードを設定できる LF(O)から選択します。