MUSICAL FEATURES
Make Noise初のスタンドアロンのデスクトップシンセサイザーです。 Moogを始めとする”East Coast”哲学とBuchla/Serge/Wiard等の”West Coast”哲学からインスパイアされつつも、そのどちらにも属さないタイプのシンセサイザーです。セミモジュラータイプなのでパッチングをしなくてもそのまま使い始めることができます。パッチケーブルも付属します。
特徴
- MIDI→CV/Gateの変換は2セット搭載。1つめのMIDI AはピッチCVとゲートに変換されるMIDIノートになります。2つめのMIDI Bは、対応するCV/Gateからの出力を設定によって変更することが可能です
- デュアルモードのMIDIコントロールアルペジエイター
- MIDIクロックに同期可能
- ユーロラックモジュラーのCV/Gateと互換性あり
- 13の出力、14の入力パッチポイント
- VCOはトライアングルコアのアナログです
- OVERTONEやMULTIPLYコントロールを用いた普通とは違う音色モジュレーションが可能
- トランジスターベースでローパスゲートの動きを再現
- 全てのコントロールは電圧コントロール可能
- 外部音声入力つき
- ヘッドホン、ライン両対応出力
- しっかりした作りのスティール製エンクロージャー
- W22.9cm D14cm X H1.9cm のコンパクトサイズ
- パッチケーブル、MIDIケーブル、日本用ACアダプターつき
非常にコンパクトで薄型サイズ
(Korg SQ-1やヘッドホンは付属しません)
DEMO
Details
Interface
0-Coastのインターフェースは左から大まかに
- MIDIセクション
- ランダムやVoltage MathなどのCVユーティリティセクション
- オシレーターセクション
- OVERTONE/MULTIPLYのコントロールによる倍音付加セクション
- 西海岸スタイルのエンベロープ/ファンクションジェネレーターSLOPEセクション
- 東海岸スタイルのエンベロープCONTOURセクション
- 波形のミックスや音量の電圧コントロールを行う最終出力セクション
となっています。
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
Signal Flow
金色の線は、内部でどのようにシグナルが結線されているかを示します。オーディオの流れとしては、オシレーターから三角波とスクエア波が出力され、その後倍音を付加するOvertone及びMultiplyセクションを通過し、複雑な波形に変形されます。その複雑な波形と三角波がBalanceセクションの設定通りにミックスされ、最後のDynamicsセクションで音量をContourエンベロープ(ゲートシグナルやMIDIノートで立ち上がります)でコントロールされることで発音します。これらのコントロールやシグナルの流れは、パッチングによってモジュレーションされたり、流れを変更することが可能です。
演奏方法
0-Coastは、モジュラーシンセのテクニックは利用しつつも、パッチケーブルを使わない段階でも楽しくプレイすることができます。基本的な演奏の手段としては、
- CV/Gateでの演奏: ピッチCVをオシレーターの1V/Octジャックに、ゲートをCONTOURセクションのGATEジャックにパッチします
- ステレオミニケーブルによって送信するMIDIを使った演奏: 通常使われているDINのMIDIケーブルをステレオミニに変換するケーブルが付属するので、それをMIDI INジャックにパッチします。
- ツマミを回すと音が出っぱなしになるドローンマシンとしての演奏: Voltage Mathセクションの出力をDYNAMICSセクションのDYNAMICジャックにパッチします。Voltage Mathのノブが音量コントロールになります
などがあります。その上でツマミをひねって音を作るのはもちろん、0-Coast内の様々な入力と出力をパッチケーブルで繋いでいくことで回路を変更し、モジュラーならではの更に幅広い音作りを試していくことが可能です。
パッチングと最終出力
矢印が出ているジャックは様々なオーディオ/CV/Gateシグナルの出力を示しています。白い背景のジャックは、CVの入力ジャックを示します。二重丸で囲まれたジャックは、ゲート/トリガーシグナルの入力ジャックを示します。 0-Coast内部でパッチングする際は、矢印の出ているジャックと、白い背景のジャックまたは二重丸で囲まれたジャックとをパッチしてください(入力同士、出力同士でパッチしても何も起こりません)。
右側、下から2番目のヘッドホンの印のあるLINE OUTジャックが最終出力となり、ステレオミニケーブルで接続してスピーカーやヘッドホン、ミキサーやオーディオインターフェースに送ってください。その下のDYNAMICジャックも同じ音が出ていますが、0-Coast内やユーロラックのモジュラーでの利用に適したモノシグナルとして使用します。
Program Page Setting
PGM_AボタンとPGM_Bボタンからアクセスする機能により、パネルではできない各種設定ができます。PGM_Aボタンによって各設定項目の”プログラムページ”にアクセスし、PGM_Bボタンで設定項目の値を設定します。基本的な操作は次のようになります。
- PGM_Aボタン長押しでプログラムページ設定モードに入ります。この時にMIDI A及びMIDI BのLEDウィンドウが2回光ります
- PGM_Aボタンを押すと、プログラムページを順番に選択していきます。設定したいプログラムページを選択するまで繰り返し押してください。プログラムページは全部で7ページあります。個々のページの具体的な設定項目については、下を参照してください
- ここでPGM_Aボタンを長押しすると、選択したページの設定がデフォルト設定に戻ります。この時MIDI A及びMIDI BのLEDウィンドウが2回光ります
- 選択しているプログラムページで、PGM_Bを押すと、そのページに対応した設定値を順次変えていきます。設定したい値になるまで繰り返し押してください
- PGM_Bボタンを長押しするとプログラムページの設定モードから抜け出します
また、全てのプログラムページを初期設定に戻したい時は、PGM_AボタンとPGM_Bボタンを同時に押しながら電源を入れてください。
各プログラムページの設定項目
各プログラムページで設定する項目と設定の選択肢は次のようになります。上にもあるように、設定項目の切り替えはPGM_Aを押し、それぞれの項目の設定値の切り替えはPGM_Bを押して行います。()の中はそのページを選択している時のボタンの光り方を示します。
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1.アルペジエータ設定(PGM_A点灯): アルペジエーターのモードを次の2つから選択します。
- PGM_B消灯(デフォルト): MIDIノートを、着信した順番にクロックに合わせてプレイします
- PGM_B点灯: MIDIノートをプレイした順番に重ねていきアルペジオを作ります。MIDIノートがOFFになってもノートは再生され、次に同じMIDIノートがONになった時にアルペジオからそのノートが削除されます。
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2.レガート設定(PGM_Aゆっくり点滅): レガートの設定を次の2つから選択します。
- PGM_B点灯(デフォルト): 最初にMIDIノートを着信するとゲートがONとなり、全てのノートがOFFになるまでゲートがONのままです
- PGM_B消灯: 新しいMIDIノートを着信するたびにゲートが新しくONとなります。
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3.MIDIラーン設定(MIDI_A点灯): MIDI AやMIDI Bの受信MIDIチャンネルを、MIDIデータを送信することで設定(MIDIラーン)します。MIDI AとBで別々のチャンネルを設定すると、MIDI Bを変換したCV/Gateでユーロラックモジュラーなど他のシンセを鳴らすのに便利です。
- PGM_Bを押していくことで、これから設定したいMIDIを選択します。MIDI_Aが点灯しているときはMIDI Aの設定、MIDI_Bが点灯しているときはMIDI Bの設定、両方が点灯しているときは両方を同時に設定します
- MIDI AまたはB、もしくは両方のMIDIで受信したいチャンネルのMIDIデータを送信し、チャンネルを設定します
- PGM_Bボタンを長押し(LEDが2回点滅します)してMIDIラーン設定を確定し、プログラムページ設定を抜け出します。この長押しを行わないとMIDIチャンネル設定は実際には変更されません。
- また、PGM_Aボタンを長押しすると、MIDI_AとMIDI_Bどちらでも全てのチャンネルのMIDIを受信します(デフォルト設定)。
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4.MIDI B CV設定(PGM_A点灯、MIDI_Bゆっくり点滅): MIDI BのCV出力に、何をアサインするかを設定します。
- PGM_B消灯: MIDIノートナンバー
- PGM_B点灯: ベロシティ(デフォルト)
- PGM_Bゆっくり点滅: モジュレーションホイール
- PGM_B早く点滅: 三角波のLFO(MIDIとは独立、PGM_Aボタンのタップで周期を設定します)
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5.MIDI B Gate設定(PGM_A点灯、MIDI_B早く点滅): MIDI BのGate出力に何をアサインするかを設定します
- PGM_B消灯: MIDIノート着信時にONとなるゲート
- PGM_B点灯: ベロシティが50%より大きいときにONとなるゲート
- PGM_Bゆっくり点滅: モジュレーションホイールが50%より大きいときにONとなるゲート(デフォルト)
- PGM_B早く点滅: スクエアLFO(MIDIとは独立、PGM_Aボタンのタップで周期を設定するので、MIDI B CVで三角波LFOを有効にしていると周期が同じになります)
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6.MIDIクロック設定(PGM_A早く点滅): ランダム電圧の切り替えタイミングなどに使われるTempoにMIDIクロックを反映させるかの設定です。Tempoはその他PGM_Bのタップテンポや、TEMPO入力ジャックなどへのクロック/トリガーシグナルなどが反映されています。
- PGM_B消灯(デフォルト): MIDIクロックはTempoに反映されません
- PGM_B点灯: MIDIクロックがTempoに反映されます
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7.カリブレーション(MIDI_AとB交互に点滅、PGM_A点灯): MIDI_A CVコンバーターや、MIDI_B CVコンバーターのピッチシグナル変換のカリブレーション(調整)を行います。これは工場出荷時に調整されていますので、トラブル時や特殊な調整をする場合以外必要ありません。特殊な調整で必要な場合はマニュアルを参照してカリブレーションしてください。トラブル時にはカリブレーションを行う前に当店にお問い合わせください。
Firmware Update
ファームウェアアップデート方法は次の通りです。オーディオファイルを0-COASTに流し込むことでアップデートを行います。
- Zipファイルのダウンロードと解凍:最新版のファームウェアをダウンロードし、ZIPファイルを解凍します。ZIPファイルに含まれるwavファイルを、PCやラップトップから100%の音量で再生する準備をしてください。
- 0-COASTの電源を入れます
- Voltage MathをTEMPO入力に接続:左下の四角いSUMウィンドウの上にあるVoltage Mathのアッテヌバータを右いっぱいに回します。Voltage Mathの出力(2つどちらでも可)をTEMPO入力にパッチします
- PGM_Bを押しっぱなしにします
- 電源をOFF→ON: PGM_Bを押したまま、電源をかなり素早くOFF/ONします。ジャックの抜き差しでは遅くなかなか成功しないので、スイッチつきの電源タップに接続し、タップのスイッチのOFF/ONで行ってください。PGM_B、MIDI_A、MIDI_Bが点灯したらPGM_Bをはなしてください。Voltage MATHとTEMPO入力間のパッチを外してください
- PGM_Aを押します: PGM_Aボタンが点灯します。ここまでが0-COASTにファームウェアが残っている最後のステップです。この後のプロセスで失敗すると、内部のファームウェアが失われるため、関連機能が失われ、シンセサイザーとしても動作しなくなることがあります。その場合はファームウェアアップデートをやり直し、成功させるまで通常の状態に復帰できないのでご注意ください。
- 再生機器の接続: ファームウェアwavファイル再生機器のオーディオ出力を、0-COASTのTEMPO入力に通常のパッチケーブル等で接続します
- PGM_Bを押します: メモリー内のファームウェアが消去され、書き込みの準備がされます
- ファームウェアの再生とアップデート: PCや携帯から、ファームウェアのwavファイルの再生を音量100%で開始します。通知音等を含む、他のオーディオが再生されないようにしてください。他の音が同時に再生されたり、音量が不適切な場合はファームウェアのアップロードに失敗し、0-COASTのLED等が全て点灯しなくなります。その場合はファームウェアアップデートプロセスを再度行ってください。アップデートが成功するまで0-COASTは正しく動作しません。アップデート中はPGM_AとPGM_Bが交互に点滅します。アップデートが正常に終わると、PGM_AとPGM_Bの点滅が消え、通常の0-COASTの状態に戻ります
- ファクトリーリセット: アフタータッチを正常に動作させる為、設定のファクトリーリセットを行います。ファクトリーリセットは、0-COASTの電源を一度落とし、PGM_AとPGM_Bの両方を押しながら電源を入れ、MIDI_A/Bの点滅が終わるまでPGM_A/Bを押しっぱなしにします
- アップデート成功の確認: ファームウェア1.5.4がインストールされていると、起動時にPGM_A、PGM_B、MIDI Aが点滅します。