MUSICAL FEATURES
LXR-02 Drum Moduleは、LXR-02ドラムマシンのサウンド・エンジンに基づくコンパクトでパワフルなパーカッション・シンセサイザーです。LXR-02の主要インターフェイスはそのままに、パラメータにアサインできるCVコントロールやユーザー・インターフェイスの改良などを追加。あらゆるユーロラック・システムに柔軟に統合できます。
- 6 x ドラム/パーカッション・ボイス
- 7 x トリガー入力
- 6 x アクセント入力
- 5 x アサイン可能なCV入力
- 4 x アサイン可能なオーディオ出力
- 1V/Octチューニングにより3ボイスをベースラインとして使用可能
- 1ボイスごとに30を超える調整可能なパラメータ群
- インサートFXセクション
- キット・メモリー
- キットの交換やファームウェア更新にSDカードを採用
- LXR-02互換キット
HOW TO USE
LXR-02は、6つのボイスごとに30を超えるパラメータを調整可能なフル機能のデジタル・ドラムジェネレータです。 クラシカルなアナログのエミュレーションからクランチーなデジタル・カオスまで、幅広いサウンドを作成できます。
Interface
マウスオーバーで各部の説明が表示されます
メニューのナビゲーション
ディスプレイの上段には各パラメータを示す短い名前が、下段にはパラメータ値が並びます。 それぞれの値を変更するには、ディスプレイ下の4つのノブを使います。 メニュー中のパラメータを選択するには、エンコーダーを使います。選択されたパラメータは、大文字で表示されます。
上のイメージでは、’RES’パラメータが選択されています。 現在のメニューに4つ以上の項目がある場合は、ディスプレイの右上に複数のページがあることと、現在アクティヴなページをを示す’ > ‘または’ < ‘が表示されます。 メニューのページは、再びMENUボタンを押すことで切り替えることができます。エンコーダーをクリックすると、詳細ページが表示されます。
詳細ページでは、パラメータがフルネームで表示され、エンコーダーで値を変更できます。各ノブの調整値は大まかなため、エンコーダーでは微調整に便利です。 エンコーダーを再びクリックすることで、通常のメニュー・モードに戻ります。
メモリーの管理
SDカード
SDカードは、不揮発性ストレージとして使用されます。メモリーカードを使わない場合は作業を保存できません。
KITS
キットは、全6ボイスのシンセシス・パラメータのデータを格納します。 各キットは、’.SND’形式のバイナリ・ファイルでSDカードの’Project00’フォルダに保存されます。
ボイス
LXR-02では、6つのボイスを利用可能です。これらは異なる種類のドラム・サウンドに最適化されており、ボイスの種類を変更することは出来ません。 ドラム・ボイスが3つ、減算式のクラップ/スネア・ボイスが1つ、FMのパーカッション・ボイスが1つと、ハイハット・ボイスで計6つとなります。 各種ボイスのシンセ構造はユーザー・マニュアルを参照してください。
ボイス・パラメータのメニュー
各ボイスのシンセシス・パラメータは、ボイスのEDITモードで変更できます。 シンセシス・エンジンは‘DRUM + SELECT’ボタンで選択できる、7つの異なるセクションにグループ化されています。
オシレーター・ページ [OSC]
メイン・オシレーターのパラメータにアクセスし、周波数と波形を設定できます。設定項目はボイスの種類によって異なります。種類ごとのパラメータの詳細は、ユーザーマニュアルを参照してください。
AMPエンヴェロープ・ページ [AEG]
各ボイスが備える振幅エンヴェロープを調整します。各種で共通のパラメータは、アタックとディケイ、そしてスロープの曲線形状です。
モジュレーション・ページ [MOD]
選択したボイスで2つ目のエンヴェロープが利用できる場合は、そのパラメータを調整できます。 また、アクセント・ベロシティもモジュレーション・ページに含まれ、再生音のアクセントのon/offを設定できます。
FM・ページ [FM]
FMオシレーターの周波数、波形、モジュレーションの量を設定できます。
トランジェント・ジェネレータ・ページ [CLICK]
トランジェント・ジェネレータのパラメータは、ボイス出力にミックスされる短いアタックのトランジェントの波形、レベルと周波数です。
フィルター・ページ [FIL]
周波数、レゾナンス、種類とドライブといった、フィルターの全パラメータが含まれます。
ミキサー・ページ [MIX]
このページでは、ボリューム、パンニング、ルーティング、ボイスFX、シーケンサートラックの長さなどにアクセスできます。
メニュー
LXR-02では、ボイスの編集、モジュレーション、FXのルーティングなど、タスクごとに異なるメニューが提供されます。 メインモードには、6つのメニューボタンでアクセスできます。
EDITモード
ボイスの編集モードは、各ボイスのサウンド・パラメータの調整に使用します。 ボイスが持つ各パラメータは、7つのSELECTボタンで選択する、複数のページに分割されています。 DRUMボタンを押しながら7つのSELECTボタンを押すことで、点灯LEDで示されるアクティヴなボイスを選択できます。 ボイスの種類には各々のパラメータのセットがありますが、全体のページ構造は全ボイスで共通です。 ディスプレイ中のパラメータは、画面下の4つのノブで調整できます。
ボイス3のフィルターの周波数を変更するには:
- DRUM + SELECTボタン3でボイス3を選択します
- SELECTボタン6でフィルター・ページを表示します
- 左のノブで’frq’パラメータを調整します。
PERFORMANCEモード
ジャム演奏のためにデザインされたモードです。SELECTボタンを使って手動で各ボイスをトリガーできるほか、’Morph’および’Global Samplerate’にアクセスできます。 なお、このモードではボイスの編集はできません。パフォーマンス・モードでは、基本となる次の3つのパラメータのセットが表示されます。
- 原音とmorphターゲット間の比率を調整する‘Morph Amount [mrp]’
- morphターゲットのキット番号を選択する‘Morph Target [mtg]’、
- 総合的なサンプルレート・リダクション効果の調整をする‘Global samplerate [sr]’
MORPH
morph機能を使って、プリセット・サウンド間を滑らかに変更できます。morphターゲットには任意のキットを使用可能で、Morph Amountの値が原音とターゲットとの比率をコントロールします。 このパラメータ値が増加するにつれ、現在のサウンドが徐々に選択したmorphターゲットのサウンドに変化します。
TIP: 任意のプリセット間のモーフィングが上手くいかない場合は、気に入ったパターンを少しだけ変更し、新しい場所に保存することで、微調整した全パラメータを一度に制御できます。
MODULATIONメニュー
MOD MATRIX
各ボイスは、CV、アクセント、LFOをシンセ・エンジンの任意のパラメータにルーティングできる、3スロットのモジュレーション・マトリクスを備えます。 このMODマトリクスには、MODボタンでアクセスします。MODマトリクスのメニューがアクティヴな時にボイスを選択するには、DRUMボタンを押しながら SELECTボタンのいずれかを押します。
このメニューで利用できるパラメータは3つで、モジュレーション・ソースの選択、モジュレーションの量、モジュレーションの送信先です。 モジュレーションは現在のパラメータ値に対してバイポーラーであるため、フル・レンジのモジュレーションを実行するにはターゲットのパラメータ値を50%に設定します。 MODマトリクスは‘v/o’で示される特別なターゲットを備えており、このターゲットを使うことで着信CVをスケーリングし、1V/OctのCVソースでそのボイスを演奏することができます。 この場合、正確なトラッキングのためにモジュレーション量は100%に設定する必要があります。1V/Octモードでは負極のCVは無効で、トラッキング幅は5オクターブです。
LFO
6つのLFOを利用できます。これらは基本的にオーディオ・オシレーターと同様ですが、より低い周期で動作します。 LFOメニューにアクセスするには、SHIFT + MODボタンを押します。メニューがアクティヴの状態で DRUMボタンを押しながら任意のSELECTボタンを押すことで、6つのLFOを選択できます。
オーディオ・オシレーターとは異なり、LFOを直接聴いて確認することはできません。これらはパラメータ値を時間的に変更するのに使用されます。 例えば、ボイスのフィルターを緩やかに開き、再び閉じたい場合はフィルター・カットオフをサイン波LFOで変調します。 LFOメニューで利用できるパラメータは、LFOの周波数と位相オフセット、LFO波形と再トリガーの設定です。周波数はsyncが無効の時にのみ設定可能で、 位相オフセットはLFOが再トリガーされた時にリセットされる位相オフセットを設定します。LFO波形は基本波に加えてランダム、指数形の昇降ランプを含む全8種です。 再トリガーは、別のシーケンサートラックからLFOの再トリガーを可能にします。
FXモード
LXR-02では、デジタルエフェクト・プロセッサーを利用できます。1度に使用できるエフェクトは1つのみで、 現状FWではDrive, Rngmodulator, Compressor, Delayの4種が用意されています。 FXプロセッサを使用するには、ミキサー・ページの出力ルーティングを’FX’に設定します。 これにより、ボイスは出力される前にFXバスにルーティングされます。FXメニューにアクセスするには‘SHIFT + FX’ボタンを押します。
DRIVE
ドライブFXは、様々なディストーション・アルゴリズムのコレクションです。 単一ボイスのフィルターとミキサーページのdriveパラメータとは対照的に、このFXは一つのディストーション・ユニットですべての信号を処理します。 これにより、入力信号間の興味深いモジュレーションを実現します。
Drive Types
4つ目のパラメータ’Type’は、使用するドライブ・アルゴリズムを選択します。
- Tub: 真空間サチュレーションを追加します。
- Fld: ウェーブ・フォールダーを利用したディストーションです。
- Clp: Rodentに着想を得たハードクリップ・ペダルのエミュレーションです。
Clipプロセッサのフィードバック・パラメータは入力信号がない場合でもサウンドを生成しますが、 これはスピーカーの前に置かれたマイクロフォンが生成するフィードバック音とよく似た効果であり、通常の動作となります。 この動作は、ドラムパターンの演奏中に心地よい相互変調を生みますが、入力がない場合はクリーンなサウンドを生成します。 フィードバックをフルで使用中、または外部VCAを使用している際にシーケンスを停止する場合は、マスター・ボリュームを下げると良いでしょう。
RINGMODULATOR
リングモジュレーターは、2つ目のオシレーター信号で入力信号を乗算します。 利用できるパラメータはFXタイプ、出力ルーティング、dry/wetミックス、モジュレーターの波形と周波数です。
COMPRESSOR
コンプレッサーは、大きい音のレベルを下げ、小さい音のレベルを上げることで信号のダイナミック・レンジを制限する、ダイナミクス・プロセッサです。各パラメータ値の詳細はユーザーマニュアルを参照してください。
DELAY
クラシカルな直感的に使えるディレイFXです。4つ目のパラメータ’typ’では使用するディレイのアルゴリズムを’mono’と’stereo ping pong’から選択できます。rangeパラメータを極端に短いディレイタイムに設定し、LFOモジュレーションを使うことでフランジャーのような効果を得ることもできます。
LOADING AND SAVING
モジュールの電源を入れると、最後に使用したキットがSDカードから本体のメモリに自動的に読み込まれます。 この初期ロードの後に行った全ての変更は一時的なものとなるため、他のキットを選択した場合、現在のキットへのすべての変更が失われます。 これらの変更を恒久的にするには、キットをSDカードに保存します。SAVE/LOADボタンを押すことでキットの読み込みメニューを、 SHIFT + LOAD/SAVEボタンで保存メニューを立ち上げます。
ディスプレイの1行目にはアクティヴなモード[load or save]の情報が示されます。2行目はアクティヴなプリセット番号を選択し、選択されたプリセット名が表示されます。 選択を確定するにはエンコーダーをクリックし、キットの読み込み/保存を実行します。
MENU NAVIGATION
エンコーダーを使ってメニューをナビゲートします。選択を確定するにはエンコーダーをクリックします。
Quick naming scheme
ディスプレイ下のノブを使って、保存ページで素早く名前を入力することができます。 カーソルが名前のエリアにある時、各ノブは次のように機能します。
- 1つ目のノブはカーソル位置を選択します
- 2つ目のノブは大文字と小文字を切り替えます。
- 3つ目のノブは利用可能なデフォルトのASCII文字をスクロールします。
キットの読み込み
- LOAD/SAVEボタンを押します
- エンコーダーで新しいキットを選択します
- 選択したキットをロードするにはエンコーダーをクリックします
- ロードしたキットのサウンドは即座に再生されます
- 以前のキットの保存していない変更は失われます
キットの保存
- SHIFT + LOAD/SAVEボタンを押します
- 作成したキットを保存したいプリセット番号を選択します
- エンコーダーをクリックします
- 名前を編集するか否かを確認するプロンプトが表示されます
- 名前の編集が必要ない場合は、そのままエンコーダーをクリックして保存を完了します
- 名前を編集する場合は’Y’を選び、エンコーダーをクリックします
- 名前を入力します
- 編集が済めば、カーソルを’ok’に合わせてエンコーダーをクリックし、キットの保存を完了します
GLOBAL SETTINGS MENU
LXR-02のシステム構成を行うメニューです。設定はメニューを退出した段階で保存されます。
メニューへのアクセス
SHIFT + LOAD/SAVEを押します。2つのボタンが点滅し、グローバル設定メニューがアクティヴであることを示します。 ここではOLEDディスプレイを焼き付きから保護するためのスクリーンセーバーの設定と、CVのルーティングを全体的に、またはキット単位で保存することができます。