MUSICAL FEATURES
Cloudsは工夫をこらしたグラニュラープロセッサーです。いわゆるグラニュラーサンプラーとは違い、Cloudsはリアルタイムのオーディオ処理を行い、テクスチャーを取り出すことにフォーカスしています。
グレインの位置(POSITION)やサイズ(SIZE)、ピッチ(PITCH)といったコントロールがあり、いくつものグレイン(最低40)を同時に重ねて厚いテクスチャーを作ることもでき、さらにこのテクスチャーの濃さをDENSITYノブでコントロールすることが可能です。 外部トリガーのインプットによってグレインはLFOなどとシンクさせることができます。
幅広い音色を得るために、Cloudsはグレインのエンベロープの形を変化させることができ、鋭い直角のエンベロープから、スムースなベル状のカーブまで作ることができます。また拡散によってさらいにグレインのエッジをスムースにしてぼやけたテクスチャーにすることも可能です。
また、別の”Grain Mesh”モードでは、自動でグレインの濃さ、サイズ等を調整して、オールドスクールなサンプラーのようなやり方でピッチシフトやタイムストレッチを行うことができます。
Cloudsは、グラニュラーシンセを利用するのに他のモジュールが必要となることがないように、4つのミックス設定が可能です。
- ドライ/ウェット
- パンをランダムに振る強さ
- フィードバック量
- リバーブ量
これら4つのうち1つが設定によって電圧コントロール可能になります。Cloudsのディレイ時間上限は音質の設定に応じて1秒から8秒です。
HOW TO USE
Jacks & Knobs
Freeze Button
FREEZEボタンを押すと、オーディオバッファが更新されずに現在のメモリーのデータ数秒分をプロセスし続けます。
Indicator LEDs
LEDは入力レベルのVUメーターとなります。またFreeze時には入力は無効になるので出力レベルのメーターとなります。最後のLEDまで点灯する場合ソフトにクリップします。
また各設定の状態を表示するのにも使われ、赤い色の時はクオリティの設定、緑色の時はBLENDノブにアサインされる機能の設定、マルチカラーの時はBlendパラメーターの値を示します。
Blend Parameter/Audio Quality Button
BLENDノブとCVでコントロールされるパラメータを選択するボタンです。またオーディオクオリティも4種類から選べます。
Load&Save Button
フリーズしたオーディオ4種類までセーブとロードが可能です。詳しくは下記をごらんください。
Position/Size/Pitch Knobs
左は、オーディオバッファ中のグレインの再生位置を決めるPositionノブです。時計回りに回すと再生位置がより過去の時間となります。真ん中がグレインのサイズを決めるSizeノブ、右側がグレインのピッチを決めるPitchノブです。この2つのノブは真ん中の位置のときに原音の周波数に戻ります。
In Gain/Density/Texture/Blend Knobs
左は-18dBから6dBまで変化するインプットゲインノブです。
左から2番目はDENSITYノブです。真ん中のポジションでグレインは発生しません。右に回すとグレインがランダムなタイミングで発生し、左に回すとグレインが等間隔のタイミングで発生します。左や右に回す幅が大きいと、グレインの各音の発音時間のオーバーラップが大きくなります。
左から3番目のノブはTEXTUREノブで、様々なグレインのエンベロープカーブを設定、モーフィングできるノブです。2時の位置を過ぎると音のアタック部分を薄めるようなディフューザー効果が得られます。
Blend Knob
Blendノブは、LED右側のボタンを押して選択して機能をアサインしたBlendパラメータをコントロールします。アサイン可能な機能は
- ドライ/ウェットのバランス
- ステレオの広がり
- フィードバック量
- リバーブの量
の4つです。マルチファンクションノブの性質上、アサインするパラメータを切り替えた直後は、ノブの位置がパラメータの数値に合っていません。この時にノブを回すと、本来のノブ位置との距離に応じた量のパラメータ変化をします。
Freeze&Trigger Input
フリーズを電圧で行う為のゲートシグナルインプットと、グレイン1つを発生させるトリガーシグナルのインプットジャックです。DENSITYは0(真ん中)にし、ここにトリガーシグナルを入力して発音することによって、Cloudsはマイクロサンプルプレイヤーになります。
Signal Input
Cloudsへのステレオインプットです。
Position/Size/Density/Texture CV inputs
各パラメータのCVインプットです。
1V/Oct input
グレインのピッチを1V/Octで変化させるCVインプットです。
Blend input
BlendコントロールをCVで行うインプットです。
Signal Out
Cloudsのステレオアウトプットです。
Details
グラニュラーシンセについて
Cloudsは入って来るオーディオを絶えず小さなサンプルに録音し続けます。録音時間はオーディオのクオリティを下げれば8秒まで到達します。Cloudsは録音されたオーディオの短い破片を重ね合わせながら再生することで、”グレイン”としても知られる音のテクスチャーを生み出します。
Cloudsでは以下のことがコントロールできます。
- グレインを録音バッファのどの部分から取るか
- グレインの長さ
- グレイン再生のスピードとピッチ
- グレイン間の重なり(density)
- グレイン発音のタイミングが一定かランダムか
- グレインに適用されるエンベロープのカーブをどれにするか
CloudsはDENSITYとSIZE設定で決められたレートでグレインを連続的に再生します。トリガーインプットもあり、これを使えばモジュールが新しいグレインを再生し始めるタイミングを指定できます。 同時再生できる最大のグレインの数は40から60ととても大きい為、とても基本的な波形からでも変化し続けるテクスチャーを生み出すことができ、SDカードのサンプルを行き来して再生し続けるよりも非常に多くの奥行きを音に与えます。
グレインを取り出すオーディオバッファをフリーズすることもできます。この時入力されるオーディオは録音されません。 ある意味でCloudsの動作はサンプラーの逆であり、フリーズしなければ受けるオーディオを常にサンプルし続けます。
オーディオクオリティの設定
Blend parameter/Audio qualityボタンを1秒ほど押し続けた後にボタンを連続して押し、録音クオリティを選んでください。設定は赤いLEDの位置で表示され、左の位置から
– サンプルレート32kHz/ビット数16ビット/ステレオ/バッファ1秒
– サンプルレート32kHz/ビット数16ビット/モノ/バッファ2秒
– サンプルレート16kHz/ビット数8ビット/ステレオ/バッファ4秒
– サンプルレート16kHz/ビット数8ビット/モノ/バッファ8秒
となります。
セーブとロード
フリーズしたオーディオバッファは4つまで保存とロードが可能です。
保存を行うには
– 1秒ほどLoad/Saveボタンを長押しし、Blend parameter/Audio ボタンを押して4つのメモリースロットを切り替えてください。
– 選択中のスロットは点滅する赤いLEDで表示されます。
– スロットを決めたらもう一度Load/Saveボタンを押してください。
ロードを行うには
– Load/Saveボタンを押し、Blend parameter/Audio ボタンを押して4つのメモリースロットを切り替えてください。
– 選択中のスロットは点滅する緑のLEDで表示されます。
– スロットを決めたらもう一度Load/Saveボタンを押してください。
Load/Saveボタンを誤って押してしまった場合、そのまま何もしなければもとの状態に戻ります。
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