MUSICAL FEATURES
Plancks IIはMutable Instruments Framesをクローンし、8HPにコンパクト化したシグナルプロセッサーです。オリジナルのファームウェアを更にブラッシュアップしたParasietesファームウェアv1.1がプリインストールされています。
PARASITES FIRMWARE
Parasitesファームウェアでは本来のキーフレーマーモード含め5つのモードを選択して使用します。モードを切り替えるには、2つのボタンを押し、その後スライダーまたはFrameノブの操作子を動かすことでモードを選択します。再度ボタンを押すとそのモードを確定します。動かす操作子と選択されるモードは以下の通りです。
- Frameノブ・・・本来のキーフレーマーモードを選択します。
- スライダー1・・・クアッドシーケンサーモード
- スライダー2・・・シフトレジスターシーケンサーモード
- スライダー3・・・クアッドLFOモード(オリジナルファームウェアのEaster Eggモードに対応)
- スライダー4・・・ユークリッドシーケンサーモード
HOW TO USE
各モードの説明は以下の通りです。モードによってはFRAME CV inはクロックインプットとして使用していますが、その場合入力されるクロック信号を減衰させないよう、MODノブは右方向に回しきった状態であることを確認してください。
キーフレーマーモード
オリジナルのキーフレーマーモードです。上部4つのノブで各チャンネルのゲインレベルを指定し記憶させた設定の間を、Frameノブによってシーケンス/モーフィングさせることができます。ADD/DELボタンによってフレームの追加/削除ができます。
ゲインレベルの設定は最大64個のプリセット(キーフレーム)の1つに保存します。 そして中心の大きな”Frame”ノブやCVによってキーフレーム間を移動し、4つのゲインも変化(アニメーション)します。フレーム間の遷移の特性は6種類あり、Addボタンを1秒長押し後にゲインノブを回すことでチャンネル毎に選択可能です。
個別チャンネルのインプットジャックにパッチングされていないチャンネルは、ALLインプットに入力されたシグナルをインプットとシェアします。更にALLインプットにも何もパッチングされていない時は、”VREF”スイッチを入れることでそのチャンネルに10Vの一定電圧がインプットとしてルーティングされます。
各チャンネルのインプットシグナルは、各チャンネルのアッテネータを通過してアウトプットに向かいます。個別のチャンネルのアウトプットジャックにパッチングされている場合にはそちらからシグナルが出力され、パッチングされていない場合にはMIXアウトから出力されます。同様のチャンネルがあればMIXアウトからはそれらのチャンネルのアウトプットがミックスして出力されるので、ミキサーとなります。
キーフレームモードについてはオリジナルのFramesの説明も参照してください。
クアッドシーケンサーモード
シーケンサーのようにキーフレーム間を補間せずに作成されたフレーム数をステップ数として切り替えるモードです。
FRAMEノブはフェーダー1~4で編集するフレームの選択を行いADD/DELボタンによってフレームの追加/削除ができます。
現在のステップの値を調整するステップ編集モードへ入るにはDELボタンをFRAME LEDが暗く点灯するまで長押しし、終了する場合はDELボタンを短く押します。ステップ編集モード時、FRAMEノブは再生されるシーケンスのステップ数を設定し完全に右に回し切った状態で全てのステップ数を使ったシーケンスが再生され、左に回し切った状態では1つ目のステップのみが繰り返し再生されます。ステップ編集モードではフレーム(ステップ)の追加/削除はできません。
ADDボタンを長押しすると現在のシーケンスの全ての値がランダム化されます。
※各チャンネルのゲインを制御するVCAは温度変化の影響を受け出力されるCVにブレが生じる場合があります。
シフトレジスターモード
このモードではキーフレーマー/クアッドシーケンサーモードと同様にフェーダー値のシーケンスを入力しますがチャンネル1のシーケンスのみが使用され、2〜4チャンネルはチャンネル1の値がクロックごとにずれて出力されるシフトレジスター出力となります。
FRAME CV inはクロックインプットとして機能し、以下の2つのイベントが発生します。
- シーケンスが1ステップ進みます。
- 2~4のステップはチャンネル1の値が順に右にシフトしていきチャンネル4の値は1にシフトバックされます。(シフトレジスター)
Plancksのシフトレジスターはフレームのシーケンスのクロックとは別の分割数やスキップ数で進ませることができ、ユニークなCVシーケンスを生み出すことができます。以下のようにフェーダー2〜4を使ってそれらを指定します。
- フェーダー2はステップを進ませるクロックに対してディバイドとスキップを行います。フェーダーをセンターより下に設定した場合1/1〜1/8のクロックディバイダーとして機能します。センターより上にフェーダーを設定した場合ランダムにステップの進行をスキップします。
- フェーダー3はシフトレジスターを進ませる
クロックに対してディバイドとスキップを行います。 - フェーダー4はシフトバックのエラー量とシフト順序のシャッフルを設定します。
フレームのシーケンス、またはシフトレジスターのシーケンスのどちらかのイベントが発生したときにSTEPアウトから短いトリガーを出力します。FRAMEノブはフレームの選択とチャンネル2~4のループするフレーム数を設定します。
クアッドLFOモード
このモードは各チャンネルのゲインのコントロールをLFOで行います。4つのLFOを出力する場合はVREFスイッチを有効にしチャンネル1~4とALL inにはケーブルをパッチングしない事をお勧めします。
FRAMEノブはCV入力とともにLFOのメイン周波数を設定します。
フェーダー1はLFOの波形を設定し内蔵のウェーブテーブルをモーフィングしながら選択します。
フェーダー2は各チャンネル間のウェーブテーブル読み出し位置の差を設定します。センター位置では全てのチャンネルは同じ波形を出力し、上下に動かすと各チャンネルがウェーブテーブルから異なる波形を読み取ります。
フェーダー3は各チャンネルの位相差または周波数オフセットを設定します。センター位置では全てのチャンネルの位相と周波数は一致し、上に動かした場合はチャンネル間の位相がシフトし、下に動かした場合は周波数がシフトします。
フェーダー4は各チャンネル間の位相変調を設定します。センター位置では全てのチャンネルが独立し、上に動かすとそれぞれ次のチャンネルによって変調され、下に動かした場合は前のチャンネルに変調されます。
ADDボタンを押すと全てのLFOの位相がリセットされます。
DELボタンを押すと全てのLFOの位相がランダムに変更されます。
STEPアウトはチャンネル1のサイクルの半分の間Highになります。
ユークリッドシーケンサーモード
このモードではチャンネル毎にユークリッドシーケンスのFillとLength(最大16ステップ)を設定し、形状変更が可能なエンベロープで各チャンネルのゲインをコントロールします。
FRAME CV inはクロックインプットとして機能します。
各フェーダーはFillを0からLength数まで設定し、FRAMEノブは4つのチャンネル間のRotateを設定します。
ADDボタンを長押しするとフェーダー1~4で各チャンネルのLengthを1~16の範囲で設定できどちらかのボタンの短押しでLength設定モードを抜け出せます。
DELLボタンを長押しするとフェーダー1~4で各チャンネルのエンベロープ形状を変更できます。フェーダーが一番下の位置で短いディケイ、センターで長く減衰するディケイ、一番上の位置で三角形となります。どちらかのボタンの短押しでエンベロープ設定モードを抜け出せます。
STEPアウトは各チャンネルの状態の組み合わせられたGateを出力しFRAME LEDが対応したタイミングで点灯します。