MUSICAL FEATURES
Quantizer
入力されたCVを、指定したスケール上の一番近い音階のピッチCVに修正して出力するのが基本機能です。クォンタイザーのないシーケンサーをクオンタイズしたりといったユーティリティ的な使用だけでなく、LFOからアルペジオのようなピッチシーケンスを生み出すことも可能です。
ScalesはTrigger入力を持ち、ここにパッチすることで、トリガーが入力された時のみ新しくクォンタイズされ、それ以外の時はクォンタイズされた電圧がホールドされます。(サンプル&ホールド)
Shift
Scalesには2つの出力があり、通常のクォンタイズされたピッチ出力Aに加え、決まったスケール内でハーモニーを作る為のもう一つの出力Bがあります。Shift入力によってピッチシフト量等をモジュレーションできます。Shift入力はそれ以外に、スケールのCVコントロール、ルートの変更、2つの独立したクォンタイザー(スケールは共通、入力電圧が別々)にしたりするのに使用します。
Sequencer
Scalesには、128ステップ、SH101方式で打ち込むステップシーケンサー(35パターン記憶)もつきます。この機能を使う場合はOUT Aは通常のクォンタイザーとして使用でき、OUT Bがシーケンサーとなります。
DEMO
Details
Scalesの1番の基本機能は、Pitch入力へのCVを指定したスケールに対応した電圧へとクォンタイズし、Out Aから出力することで、これはどのモードでも変わりません。入力電圧のレンジは-10V~10Vです。TRIG入力にパッチされると、TRIGにゲートがきた瞬間にのみクォンタイズが起き、それ以外の時間はクォンタイズされた電圧をそのままホールドします(サンプル&ホールド)。TRIGへパッチされていない場合、入力電圧のクォンタイズされる一番近い電圧が変わった瞬間にクォンタイズが起きます。通常のシンセパッチの音程をコントロールする場合、LFOなど同期の取れていない電圧をPITCH INに入力していても、VCAを動かすエンベロープと同じゲートをTRIGにパッチすれば、音程の変更をエンベロープの立ち上がりと同期させることができます。
OUT BやTRIG出力、SHIFT入力の働きはCONFIGモードから設定/変更が可能です。設定によりOUT Bは
- Out Aに対してShift入力分音程を加えた出力
- 独立した2つ目のクォンタイザー(Shiftへの入力をクォンタイズしてOUT Bから出力)
- SH 101のようなスタイルで打ち込むシーケンサーのCV出力
のどれかとして動作します。
Scalesはデフォルトでは”Scale Display Mode“で、12音階ボタンは、有効な音階が緑、OUT Aで選択されている音階が赤、OUT Bの音階が黄色で表示されます。その他のモードには、下の6個のボタンのどれかを押して入ります。各モードの詳細は次のようになります。
LEARN MODE
LEARNモードでは、PITCH INに入力された音階を有効にします。TRIGにはシーケンサーなどのゲートをパッチします。LEARNボタンを1回押すと現在有効な音階はそのまま、PITCH INに入力された信号が、TRIGにゲートを受けた瞬間に対応する音階が有効になります。LEARNボタンを長押しでLearnモードに入ると現在の音階がクリアされた上でLEARNが始まります。
CONFIG MODE
CONFIGボタンを押してCONFIGモードに入ると、12音階ボタンで様々な項目を選択して設定することが可能です。項目はパネルにプリントされており、SHIFT MODE:PREからDUAL/SEQの設定となります。
- SHIFT MODE:PRE: Shift出力の設定です。Shift入力がPITCH入力に足されてからスケールに合わせてクォンタイズされるモードです。
- SHIFT MODE:DIATONIC: Shift出力の設定です。PITCH入力がスケールにクォンタイズされ、さらにSHIFT入力分が足されて出力されますが、シフト量が半音ではなく、スケール内の有効音階の個数で指定されます。例えばSHIFTがD#(3半音)であれば、この3は半音ではなくスケール中の音階3つ分と解釈され、PITCHのクォンタイズ結果から有効音階3つ分シフトされます。
- SHIFT MODE:POST: Shiftの設定です。PITCH入力がスケールに合わせてクォンタイズされ、その後にShift入力分足されるモードです。足された音階は設定したスケールには関係なく、12音階のどれかになるよう出力されます
- SHIFT MODE: OUT A/B: どの出力をShift出力にするかを選択します。Shiftを有効にしなかった出力は、単純にPITCH入力をクォンタイズした出力となります。
- SHIFT MODE: ROOT: Shift入力分だけルートをずらしたスケールに変更します。
- SHIFT MODE: SCALE: SHIFT入力によりスケールを選択/コントロールします。現在選択しているバンク中の7つのプリセットスケールをSHIFT電圧により変更します
- A->TRIG/B->TRIG: 有効にすると、OUT Aのピッチが変更になるたびにTRIGからトリガーが出力されます。B->TRIGも同様です。またA->TRIGは長押しすることでTRIG入力のトリガーディレイを設定できます。シーケンサーはCV変化がゲート出力に比べ微妙に遅れることがある為、ピッチ変更のタイミングを少しだけずらしたい場合に有効です。
- OUT B: CHROM: OUT BをINTERVALでセットした分だけクロマチックにシフトします
- OUT B: DIATONIC: OUT BをINTERVALでセットした分だけにダイアトニックにシフトします。SHIFT MODE:DIATONICと同様、半音単位ではなく、有効な音階の数分だけシフトされます。
- DUAL: このボタンが点灯していると、DUALモードです。SHIFTへの入力が指定したスケールでクォンタイズされ、OUT Bから出力されます。
- SEQ: DUALからもう一度ボタンを押すと点滅をはじめます。この時OUT Bはシーケンサーモードになります。シーケンスは5バンクx7プリセットの35パターンを記憶でき、各パターンは最大256ステップです。各ステップはノート、休符、またはタイのどれかで構成され、SH-101の方式で1ステップずつ打ち込んでいきます。
ROOT MODE
スケールのルートを変更します。変更した分だけ有効な音階全てがシフトします。
INTERVAL MODE
OUT Bのインターバルを設定します。設定がどのように反映されるかはCONFIGモードのOUT B:CHROM/DIATONICのどちらを選ぶかにも依存します。
またINTRVLボタンを1秒長押しすると、チューニングモードに入り、OUT A/B両方から0Vを出力します
SAVE MODE
設定したスケールを保存します。SAVEモードに入って、黒鍵に対応するボタンでバンクを、白鍵ボタンでスロットを選択し、もう一度SAVEボタンを押して保存します。保存したスケールは電源を落としても残ります。保存しなかった場合は電源を落とすと消滅します。
LOAD MODE
設定したスケールを呼び出します。LOADモードに入って、黒鍵に対応するボタンでバンクを、白鍵ボタンでスロットを選択し、もう一度LOADボタンを押して呼び出します。
Firmware Update
ファームウェアアップデートの手順は次の通りです。
- モジュールの電源を落とします
- モジュール背面からコンピュータにUSBケーブルを接続します。
- Intellijelのページからダウンロードしたアップデータを開き、モジュールとバージョンをドロップダウンから選択肢します.
- LOADボタンを押しながら、モジュールの電源を再び投入します
- アップデータの下部にあるUpdateボタンを押すとプログレスバーが始まり、最後に“Update completed successfully”というメッセージが表示されたらアップデート終了です
- モジュラーを再起動すれば新しいファームウェアで動作します