MUSICAL FEATURES
Quadraxは4チャンネルの独立したCVジェネレーターです。わずか14HPに多彩なコントロールが可能なCVジェネレーターが独立して4つ搭載され、個別に、またはパッチングや内部結線を用いて組み合わせてより複雑なCVを作り出すことができます。
各チャンネルはそれぞれ次のどれかの機能を果たします。
- AD(Attack/Decay)エンベロープ。レベルを5Vと10Vから切り替え可能
- AHR(Attack/Hold/Release)エンベロープ。レベルを5Vと10Vから切り替え可能
- サイクルするエンベロープ(プラスの範囲で動くLFO)。レベルを5Vと10Vから切り替え可能
- バーストジェネレーター。バーストの時間やバースト数、バーストの形状、またバースト中のパルスの大きさの変化量もコントロール可能。レベルを5Vと10Vから切り替え可能
- LFO: モーフィングや同期可能
- ランダムに行き先を変えるVacillating voltage source (ver1.1以降)
主な特徴:
- 各チャンネルにはレスポンスカーブの調整がつき、カーブの曲がり方を連続的に調整できます。また各ステージは0.3ミリ秒~20秒の広い時間レンジを持ちます。
- チャンネル間はリンクも可能で、前のチャンネルのトリガー入力やEOR,EOFによりトリガー可能です。1つのトリガーで複数のエンベロープをトリガーしたり、クアドラチャーLFOを作るのにも役立ちます。
- 4つのCV入力はモジュレーション先をチャンネルに関係なく複数自由にアサインできます。アッテネート量は本体内部で段階的に設定できます。
- 設定は電源を切っても記憶されます
DEMOS
HOW TO USE
各モードでの操作
Quadraxの各チャンネルの動作モードは、そのチャンネルの右側のボタンを繰り返し押していくことで切り替えられます。各部の機能はモードにより異なります。ファームウェア1.1で各モードにAlternateモードが追加されました。切り替えるにはMODE/DESTINATIONボタンを1秒以上押してください。
AD(Attack/Decay)エンベロープモード
モードボタンが点灯していない時、そのチャンネルはクラシックなアタック/ディケイエンベロープとして機能します。各ノブは次のパラメータをコントロールします。
- Rise: アタック時間
- Fall: ディケイ時間
- Response:カーブ形状
トリガー入力を受けるとエンベロープは終わりまでの1サイクルを必ず行います。Alternateモードはカーブ形状の変化が変わります(Rise/Fall共に上に膨らむか、共に下に膨らむ形状)
AHR(Attack/Hold/Release)エンベロープモード
Modeボタンが赤く点灯しているとアタック/ホールド/リリースエンベロープモードです。各ノブは次のパラメータをコントロールします。
- Rise: アタック時間
- Fall: ディケイ時間
- Response: カーブ形状
ゲートシグナルがハイのうちはシグナルはホールド(100%サステイン)され、ローになるとリリースステージへ移行します。ゲートがローになった時まだRISEステージにいる場合は、サステインせずそのレベルからリリースを始めます。真ん中の小さいレスポンスノブでエンベロープの曲がり方を設定します。Alternateモードはカーブ形状の変化が変わります(Rise/Fall共に上に膨らむか、共に下に膨らむ形状)
Cycleモード
Modeボタンが緑に点灯している時はサイクルモードで、チャンネルはループするADエンベロープ、つまりプラスのみの範囲を動くLFOのように動作します。各ノブは次のパラメータをコントロールします。
- Rise: アタック時間
- Fall: ディケイ時間
- Response: カーブ形状
波形のコントロールはADエンベロープと同様です。トリガー入力は波形のリセットに使用できます。Alternateモードはカーブ形状の変化が変わります(Rise/Fall共に上に膨らむか、共に下に膨らむ形状)
Burstモード
Modeボタンが黄色に点灯している時はバーストモードで、回数を指定してエンベロープをサイクルさせることが可能です。各ノブは次のパラメータをコントロールします。
- Rise: バーストのレート(ver1.0: バーストが行われる長さ)
- Fall: バーストの長さ(ver1.0: バーストの回数)
- Response: バーストのニュアンス。Alternateモードはバーストエンベロープの形状が異なります
LFOモード
Modeボタンがピンク(マゼンタ)に点灯している時はLFOモードで、±を動くLFOを出力します。LFOはトリガーに入力したクロックに同期可能です。各ノブは次のパラメータをコントロールします。
- Rise: LFOのスピード(TRIGにクロックをパッチしている時はx64~1/64で同期)
- Fall: LFO波形の変形
- Response: LFO波形の変形
波形は連続的に変化可能で次のように変わります
- Rise: 行き先を変えるレート
- Fall: ランダムの振れ幅
- Response: 出力ランダムにかかるスルーリミッター量
チャンネル間リンク
Quadraxでは、前のチャンネルを利用して次のチャンネルをトリガー可能です(リンク機能)。各チャンネルの左側の小さいボタンでリンク法を切り替えます。
- No Link: チャンネル間リンクはせず、自身のチャンネルのTrig入力でエンベロープやLFOをトリガーします
- Trigger Link: 直前のチャンネル(CH1に対してはCH4)のトリガー入力へのトリガーでエンベロープやLFOがトリガーされるよう内部結線されます。自身のチャンネルへのトリガーも有効です。
- End of Rise Link: 直前のチャンネル(CH1に対してはCH4)のEnd of Rise、つまりアタックが終わった瞬間にエンベロープやLFOがトリガーされるよう内部結線されます。自身のチャンネルへのトリガーも有効です。
- End of Fall Link: 直前のチャンネル(CH1に対してはCH4)のEnd of Fall、つまりディケイが終わった瞬間にエンベロープやLFOがトリガーされるよう内部結線されます。自身のチャンネルへのトリガーも有効です。
CVのアサイン
QuadraxでのCVアサインは非常に柔軟でパワフルです。A〜Dの各CV入力は、CH1〜CH4の一つまたは複数のエンベロープパラメータを、それぞれ異なるアッテネート量でモジュレーションするようアサイン可能です。アサインの設定と表示はボタンで行われ通常のノブコントロールはそのままできる為、操作性を損ないません。
アサインモードに入るには、CVコントロールをアサインする先のチャンネルの、左側のLinkボタンを1秒以上長押しします。選択したチャンネルのボタンがマゼンタで点滅します。アサインモードを出る場合にはこのボタンを1秒以上再度長押しします。他のチャンネルを設定したい場合はそのチャンネルのボタンを長押しします。左側4つのLinkボタンのどれかを押し、アサインの設定をするCV入力を選びます(青色)。右側のボタンは、どのパラメータをモジュレーションするかを示し、上からRise、Fall、Shape(レスポンス)、Level(大きさ)へののアサインに対応します。
CVアサインモードの様子。ここではCH1のRiseとFallを、CV Cによってモジュレーションする設定をしています。ただしRiseはプラス方向(緑)、Fallはマイナス方向(赤)にモジュレーションされています。ボタンの明るさがモジュレーションの強さを示しており、ボタンを繰り返し押すことでこの強さを4段階で調整できます。またモードボタンを長押しするとCVの効果を反転し可能です(アッテヌバータ)。
アサインモードでは、CVアサインの一斉クリアも可能です。あるチャンネルのパラメータへのCVアサインを全てクリアするには、そのチャンネルのLinkボタンとModeボタンを同時に長押しします。全チャンネルのアサインを全てクリアするには、CH1のLinkボタンとCH4のModeボタンを同時に長押しします。
System Mode
Systemモードはグローバルな設定を変えるための特別なブートモードで、CH4のMODE/DESTINATIONボタンを押しながら電源を入れることで入ることができます。Systemモードでは以下のような設定が可能です
- CV Aボタンを押すとエンベロープのレベルの設定ができます。色が青で10V(デフォルト)、緑で5Vです(ファームウェア バージョン 1.3からこの設定は後述するUTILITY MODEで行うようになりましたのでそちらをご参照ください)
- RISEボタンを押すとBurstモードのリトリガーのON/OFFが切り替えられます。青でOFF(デフォルト)、緑でONです。
点滅する赤いLEVELボタンを押してSystemモードを抜け出します
UTILITY Mode
ファームウェア バージョン1.3より追加されたUTILITY ModeではQuadraxのチャンネルごとのエンベロープレベルの設定とマニュアルトリガーが可能です。
UTILITYモードへはQuadraxの電源が入っている状態でRISEボタンとLEVELボタンを同時に長押しすると入ることができます。
UTILITY Modeでは以下のような設定が可能です
- 左側の列のボタンは各チャンネルのマニュアルトリガーボタンとなります。
- 右側の列のボタンは各チャンネルのエンベロープレベルの設定ができます。
青く点灯している場合は最大レベルが10Vとなりボタンを短押しすると 10V > 8V > 6V > 4V > 2Vと順番に最大レベルが調整できます。オレンジに点灯している場合は最大レベルが5Vとなりボタン短押しすると5V > 4V > 3V > 2V > 1Vと順番に最大レベルが調整できます。
青とオレンジの点灯はボタンを長押しすることで切り替わります。
UTILITY Modeに入る前にLFOモードとなっているチャンネルはオレンジ色でのみ設定が可能です。
RISEボタンとLEVELボタンを同時に長押ししてUTILITY Modeを抜け出します。
Firmware Update
ファームウェアアップデートの手順は次の通りです。
- モジュールの電源を落とします
- モジュール背面からコンピュータにUSBケーブルを接続します。
- Intellijelのページからダウンロードしたアップデータを開き、モジュールとバージョンをドロップダウンから選択肢します.
- 左上のCV Aボタンと右上のRISEボタンを押しながら、モジュールの電源を再び投入します
- アップデータの下部にあるUpdateボタンを押すとプログレスバーが始まり、最後に“Update completed successfully”というメッセージが表示されたらアップデート終了です
- モジュラーを再起動すれば新しいファームウェアで動作します